グローバルコラム

タイのアパレル最前線

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常夏で一年中半袖半ズボンで過ごせるタイ。季節感がないため日本のようにはファッション業界も、それを伝えるファッション誌もなかなか育たない状況でした。アパレル業界としてはもっぱら縫製工場かつ輸出拠点となっていたこの国に、日本を始め外資系のアパレルが「○○のよさ」を前面に出した製品を展開し頑張っています。

タイのアパレル事情

これまでタイ国内向けの服というと、南国の日差しに負けないカラフルというよりド派手な色使い、頻繁な洗濯にも負けない丈夫なというより無骨な素材、ボディラインを美しく見せるということには無頓着なとにかくなんでも直線断ちの直線縫いの大雑把な縫製、きっちりアイロンがけをしてしわ一つない服というのがステータスの当地ゆえに全身アイロンがけ不要のテロテロ化繊、といった、日本の業界人が見たらびっくりするような前近代的な状況でした。

ここ数年、タイでもH&M、Zara、MANGOといったライトカジュアルファッションのヨーロッパ御三家を皮切りに、Forever21、GAP、American Eagleなどのアメリカ系類似カテゴリーも市場参入。日系企業も負けておらず、このラインに対抗しているのが日本のユニクロです。


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近年参入してきた各メーカーに共通するのは、これまでのタイ市場にはなかった新たな価値観を提供していることです。

各国メーカーの特長

ヨーロッパ御三家は「お手頃価格感」、「デザインがシンプルで垢抜けてる感」、「パターンやカットが女性らしいラインを表現できる感」、「組み合わせ次第でオンにもオフにも着まわせる柔軟感」、などが受けています。こちらは社会人一年生から定年退職あたりの年齢まで幅広く好まれています。


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オフィスにも本命デートにも使えるワンピース、H&M、1,299バーツ(4,000円相当)



アメリカ系はヨーロッパ系よりも「休日用感」が強く平日に見かけることはあまりありませんが、大型ショッピングセンターで大々的にオープニングを行い新規開拓マーケティングにいそしんでいます。


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休日向けの華やかなワンピースにかっちり目ジャケットを合わせて。タイなら平日オフィス勤務でもこれでOK。ジャケット1,690バーツ(5,300円相当)、ワンピース690バーツ(2,200円相当)



日本のユニクロはこの中で2011年5月に三菱商事と合弁会社を設立、2011年9月にタイ市場での出店を開始しました。1号店の「セントラル・ワールド店」はバンコク最大級の大型ショッピングセンター内にあり、売場面積830坪の大型店です。


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タイ人に大ヒットしている商品はエアリズムブラキャミソール。繊維の持つ吸放湿、放熱機能が常夏のタイではとても快適で着心地よく過ごせるインナーとして大いに受け入れられています。アウターではないからこそのお手頃価格も大きなポイントです。


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案内してくれた店員さんは「私も着ています。とても着心地がよくてびっくりしています。ブラトップが付いているので、下着で体を締め付けることもなく快適。一度着ると手放せません。」とその快適さを絶賛。


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実際にタイのユニクロでエアリズムを購入し「これが最高!」と力説してくれたタイの友人、アラヤーさん。裕福な家庭に生まれ現在は数軒のアパートを経営、これまでに色々な国の高額な製品を試しています。「一見よく似た見た目、よく似た価格のタイの製品や他国の製品とは雲泥の差。エアリズムはタイの気候に合った商品。かわいいだけでここの気候とはマッチしない服はもう着れません。」と言い切るファンぶり。また、「お手頃価格でかわいくて丈夫なので、ソックスは必ずユニクロで」というのはオラピスさん。日本のファッション誌で見るレギンスやニーハイソックスを購入、可愛さと同時にタイ製や中国製の、すぐゴムが伸びたりかかとやつま先が擦り切れる品質との違いも実感しています。

素材もデザインも世界規格にして「インターナショナルな垢抜け感」を出す欧米系、着心地や品質といった「機能性」で群を抜いて支持を得る日本製。アラヤーさんに、これからの新規進出日系企業に期待する製品は?と問うと「見た目も重視しつつ、機能性も高く、着心地はもちろん最高、という服」。そんないいとこどりの製品をお待ちしております。

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