グローバルコラム

タイで伸びるクレジットカード発行枚数、加熱する特典サービス

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最近、日本の街角でタイ語の看板を目にしたり、タイ人のツアー客に出くわすことが増えていませんか?2013年7月1日よりタイ人が日本へ渡航する際の査証(ビザ)が免除になり、15日以内の観光に限り自由に入国できるようになりました。

海外旅行が出会いのきっかけ?

最近の円安も手伝い、8月の訪日タイ人数は2.4万人。その数は前年同期比2倍*にも増えています。査証免除とはいえ入国審査の際には、日本滞在中の費用を負担できることを証明するための現金またはクレジットカードなどの提示を求められます。加えて、急増する訪日タイ人の渡航目的の目玉はショッピング。ディスカウントショップからデパートのブランド品まで意欲旺盛に買い物をするタイ人観光客たちにとっても、海外旅行でキャッシュレスの便利なクレジットカードは必需品といえるでしょう。「海外旅行を機会にカードを作ろう」という人もいるかもしれません。

*日本政府観光局調べ

利用状況も千差万別

2013年1月時点でのタイ国内のクレジットカード発行枚数は約1,700万枚。タイ経済を活性化している中間層以上を中心に、クレジットカードは日常生活に浸透しています。バンコクに住む40代の女性会社員は「毎月一定額以上クレジットカードで買い物すると年会費が無料になる。できるだけカードを使うようにしています」とのこと。結果、「使いすぎてしまう」と苦笑していました。便利なカードゆえについつい使用額が高くなってしまうのは世界共通ですね。また、富裕層の子息令嬢が多く通う名門国立大学のチュラロンコン大学の学生は、両親のクレジットカードの家族カードを持っています。両親のゴールドカードやプラチナカードの特典や割引を利用できるので、自分で契約するより断然お得」だそうです。家族からクレジットカードを与えられている学生は多いようで、利用限度額は「20,000バーツ(約64,000円)**設定」や「特にない」など様々。悠々自適なカードライフを楽しむリッチな大学生もいるようです。
**2013年11月現在、1バーツ約3.2円

狙いは外食産業

クレジットカードは今年度も10%の発行増加が見込まれています。タイ大手銀行の発行するニュースレターによれば、ターゲットは「New Jobber」と呼ばれる新卒の社会人フレッシュマンたち。自ら収入を得るようになってまずはクレジットカードを持とう、持ってみたいという彼らに新規契約をしてもらおうと狙っています。タイ人にとって娯楽であり、社交であり、日常でもあるのが外食。特に若い独身者が住むアパートにはキッチンが備えられていないことも多く、1日3食外食という若者は珍しくありません。そんな外食産業が盛んなタイで多いのはクレジットカードを活用した飲食店でのディスカウント。飲食店が提携する指定銀行で発行されたクレジットカードで支払うと、飲食代から10〜20%がオフになるサービスが白熱しています。多くの大手飲食店チェーンではこういったサービスが店頭、テーブルのPOPなどでPRされています。「複数のカードを持っているのでレストランが契約しているクレジットカード会社によって使い分けています」(30代男性)というクレジットカードの達人もいました。


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まるで日本さながらのタイのクレジットカード社会ですが、支払いを銀行引き落としにせず、コンビニや銀行の窓口などで直接料金を支払う人がまだまだ多いのはタイ人らしさの現れかもしれません。なぜなら、「自分の口座から自動でお金を引き落とされるのは、自分の財産を勝手に減らされている」という意識があり、引き落としに抵抗を感じる人もいるようです。他にも「クレジットカード会社の請求や銀行のシステムが間違っていることがあるから」という声も聞かれました。タイ人は見えないお金(カード)で買い物することは大好きですが、支払いはしっかり見える現金で、と思っているのかもしれません。

経済発展とともに急成長するタイで、人々のライフスタイルも急速に変化しています。今後のクレジットカードの普及やサービス内容の充実化に注目していくのは面白いかもしれません。

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