グローバルコラム

withコロナ時代の入国情報~タイ・フィリピンへ入国する際に必要な準備・手続き~

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株式会社gr.a.m
代表取締役

谷村 真

世界的な新型コロナウイルス感染症の流行の影響により、各国は独自の対策を打ちながら蔓延防止に取り組んでいます。そのような環境下ではありますが、それぞれがwithコロナを受け入れて共存していこうといった動きも徐々に見えてきています。そこで今回のコラムでは、前回お伝えしたアメリカとドイツに続き、アジアからタイ・フィリピンの入国情報をお伝えしたいと思います。

タイへの入国情報

まずは、タイです。
タイへの入国は、通常はビザ申請と入国許可書(COE)の登録で可能となっています。現在はいずれもオンラインで行うことができます。
新型コロナウイルス流行に伴って、タイへの渡航者は全て、タイ入国前に入国許可証(COE)の取得と、入国後にタイ政府指定隔離施設ホテル(AQ:Alternative Quarantine)での隔離措置が必要な条件として求められています。
◇在東京タイ王国大使館:http://site.thaiembassy.jp/jp/visa/prepare/


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【タイ入国に必要な準備・手続き】
(1)有効なビザまたは再入国許可証の準備
2020年12月22日以降、日本国籍のパスポート、または、「観光ビザ免除国籍リスト」に示されている対象国籍のパスポートをお持ちの方は、観光目的とした30日以内の滞在であればビザ免除が認められています(短期出張が目的の場合は業務ビザの取得が必要です)。
◇観光ビザ免除国籍リスト:https://site.thaiembassy.jp/upload/pdf/New%20Folder/ExemptVISA/Countries%20and%20Territories%20entitled%20for%20Visa%20Exemption%207%20Dec%202020.pdf

(2)英文医療保険証の準備
現在、新型コロナウイルス感染症及び関連疾患の治療費を含む10万USドルの治療補償額の英文医療保険証が必要です。

(3)入国許可証(COE)事前承認申請
下記にて流れをご確認ください(英文)。
https://coethailand.mfa.go.th/regis/step?language=en

(4)航空券手配

(5)タイ政府指定隔離施設(AQ:Alternative Quarantine)ホテルの予約
2021年10月1日以降に発行された入国許可証証明書(COE)を保持している全てのタイ渡航者は、入国後に一定期間の隔離が義務付けられているため、その際に滞在するタイ政府指定のAQホテル(代替検疫施設)の予約が必要です。

(6)入国許可証(COE)申請

(7)渡航前72時間以内に発行されたPCR検査(検査方式はRT-PCR検査)陰性証明書の取得(英文)

(8)T.8 Form(タイ王国健康質問書)の入力
全てのタイ渡航者は、現在の健康状態について記入した「T.8 Form」という健康質問書をタイ入国時に検疫疾病管理官へ提出する必要があります。
◇フォーム(英文)のダウンロード:https://drive.google.com/file/d/1xZKSvAxrf2lV6_k-xXNJLT6hu2wm6QJ1/view

(9)追跡アプリThailandPlusのダウンロード、登録、必要事項の入力
2021年1月14日以降、全てのタイ入国者は追跡アプリのダウンロード、登録が必要です。


【隔離期間】
ワクチン接種の有無や接種完了日からの日数などによって、検疫隔離期間は異なります。なお、隔離期間中にRT-PCR法によって新型コロナウイルスの検査を2度行います。

・7日間:ワクチン接種完了証明書を保持し、タイ入国時点で接種完了から14日以上経過している者。ただし、接種したワクチンは、世界保健機関(WHO)ないしタイ保健省による承認を受けたものに限る。
・10日間:世界保健機関(WHO)ないしタイ保健省による承認を受けたワクチンの接種が完了していない者。または、ワクチン接種完了証明書を保持しているが、タイ入国時点で接種完了から14日未満の者。
・14日間:上記(隔離機関10日間)に該当する者で、陸路でタイに入国する者。

隔離期間が義務付けられたため、「プーケット・サンドボックス」、「プーケット・サンドボックス・エクステンション7+7」、「サムイ・プラス」は7日間滞在以降、タイ国内を自由に移動可能になります。
サンドボックス・プログラムとは、ワクチン接種済みの外国人旅行者を隔離無しで受け入れる制度のことです。

また、在タイ日本国大使館によると、下記の留意事項、例外規定が定められています。


◆留意事項
(1)一般的なワクチン接種の対象外である18歳未満の者については、両親などの保護者同伴の下で入国を認める。健康観察期間は保護者と同様とする。
(2)海路での入国の場合、船内に一人でもワクチン接種が完了していない者が含まれる場合、すべての船員・乗員について、10日間の健康観察期間が課される。


◆例外規定
以下の者は、上記の例外とする。
(1)首相により許可ないし招待された者。外交使節団、領事団、国際機関もしくはタイ国内で活動する外国政府ないしは政府機関の代表。また、これらの家族。
(2)原油を輸送するタンカーの船員や洋上採掘施設の作業員、および、タイ運輸省が定める船舶の船員。
(3)タイ国内の拠点を有さない航空機ないし船舶の運行者で、タイ国内の滞在期間が7日未満の者。
(4)タイ国内に拠点を有する航空機の運行者ないし船舶の運行者で、機材から外に出ない、ないし、12時間未満の外出を行う者。
(5)経済活性化、スポーツ、観光、教育またはそのほか活動のために許可を受けた、ないしはタイ保健省が定める個人または団体については、タイ保健省の定めに従い、健康観察および陰性証明のための検査を実施する。
(6)CCSA防疫措置緩和検討小委員会が首相に提案して承認された個人または団体については、タイ保健省の定めに従い、健康観察および陰性証明のための検査を実施する。

◇在タイ日本国大使館 タイ入国時の健康観察期間の変更について:https://www.th.emb-japan.go.jp/itpr_ja/news_20211001-2.html

※入国に関する条件等は政府指示のもと変更がある可能性がありますので、必ず最新情報をご確認ください。(本記事は、2021年10月1日の時点での情報をもとに構成しております。)

フィリピンへの入国情報

次にフィリピンです。
フィリピンは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、外国人のフィリピン入国を禁止してきましたが、新型コロナウイルス感染症に関する省庁間タスクフォース(IATF)が公布した決議に伴い、2021年8月1日よりビザ発給が一部解除されました。
また、2021年9月16日、フィリピン政府は渡航制限区分(レッド・イエロー・グリーン国/管轄地域)を発表し、日本は「イエロー」国/管轄地域に該当することになったため、入国後に隔離措置義務の対象となります。


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【入国条件】
フィリピン政府は外国人のフィリピン入国を禁止してきましたが、2021年5月1日以降、下記に該当する特定の外国人の入国を許可することを発表しました。

1. フィリピン国籍を持つ重国籍者
2. バリクバヤンプログラム(フィリピン国籍者または元フィリピン国籍者の配偶者とその子供と同行すること)
3. フィリピン国籍者と渡航しない外国籍の配偶者、外国籍の未成年の子供、フィリピン国籍者の介助が必要な外国籍の子供、フィリピン国籍者(未成年)の外国籍の親
4. 有効な永住権(移民ビザ)の保有者
5. 駐在または任務で渡航する外国政府職員(外交/公用)
6. フィリピン貿易産業省(DTI)フィリピン経済特区庁(PEZA)フィリピン運輸省(DTOr)ならびにその他のフィリピン官庁(NGA)や政府機関より推薦を受けた外国人
7. 外国籍の船員(船員の交代を目的とした入国)
8. 有効な特別(非移民)ビザの保有者
9. IATF決議98号により入国を許可された外国籍者
10. 9(G)ビザならびに47(A)(2)ビザの発給資格を有する外国籍者


【フィリピン入国に必要な準備・手続き】
(1)入国ビザ申請
入国ビザ申請に必要な書類は入国資格により異なってきます。前述した外国人の入国条件を参照し、大使館のサイトで最新情報をご確認ください。
◇在京フィリピン共和国大使館(コミュニティ隔離化における外国人のフィリピン入国のためのビザ申請書類):https://tokyo.philembassy.net/ja/01announcements/advisory-visa-requirements-for-foreign-nationals-allowed-to-enter-the-philippines-while-under-community-quarantine/

(2)航空券の手配

(3)フィリピン政府指定隔離施設ホテルの予約
現在、日本からフィリピンへの渡航者は、入国後に一定期間の隔離が必要なため、その際に滞在するフィリピン政府指定の隔離施設ホテルの予約が必要です。

(4)海外旅行保険加入の確認
滞在時の事故・病気やケガのリスクに加えて、現在では、新型コロナウイルスに感染した場合、滞在国の規定に沿った検査や隔離が必要となります。費用は自己負担となるため、海外旅行保険の加入、または補償の内容の再確認が推奨されます。

(5)追跡アプリTrazeのダウンロード、登録、必要事項の入力
2020年11月28日以降、全てのフィリピン入国者は追跡アプリのダウンロード、登録が必要です。

(6)One Health Pass (電子健康申告書)のオンライン登録
これまで機内で記入していた「Health Declaration Checklist」(黄色い用紙)が電子化されました。全ての渡航者は出国前にワクチンの接種状況などをオンラインで登録が必要になります。


【隔離期間】
フィリピン政府が定めた渡航制限区分(レッド・イエロー・グリーン国/管轄地域)によって、入国後の隔離期間は異なります。「イエロー」国/管轄地域から来た渡航者、及びフィリピン到着前の14日間以内に「イエロー」国/管轄地域に渡航歴のある渡航者は、入国後、14日間の隔離が義務付けられています。最初の10日間は隔離施設ホテルで過ごし、残りの期間はそれぞれの目的地の地方自治政府において自宅検疫を受けることになります。


◆フィリピン入国後の流れ
1日目:フィリピン到着/隔離施設チェックイン
7日目:RT-PCR検査(鼻咽頭検査)
9日目:検査結果通知(陰性であっても隔離施設で10日間の隔離が必要)
10日目:隔離施設チェックアウト
11-14日目:残りの期間を自宅または宿泊施設にて隔離を行う(必須)

※入国に関する条件等は政府指示のもと変更がありますので、必ず最新情報をご確認ください。(本記事は、2021年10月1日の時点での情報をもとに構成しております。)

最後に

現在の新型コロナウイルス感染状況について、ロイターのCOVID-19トラッキングサイトによると、タイの新型コロナウイルス感染者数は現在減少傾向にあり、一日あたりの平均陽性者数は10,776人となっています。一日あたり平均陽性者数のピークは2021年8月17日で、21,157人だったのに対し、49%まで減ってきています。パンデミック(世界的大流行)開始以降、同国では感染者1,647,362人、死者17,111人が報告されていますが、死者数の1日あたりの平均は3週間で100件以上減少しています。

フィリピンでの感染者数も減少傾向にあり、平均で1日17,729人の新規感染者が報告されています。また、パンデミック(世界的大流行)の開始以降、同国では感染者2,490,858人、死者37,405人が報告されています。

現代社会において経済活動は世界中で繋がっています。そのうえで関係各国の情報をいち早く収集し、それぞれの基準に則ってできることを、私たち自身も考え、準備・判断していかなければならない時期にきているのかもしれません。今回共有した入国情報も皆さんの判断の一助となればと思います。


【参考サイト】
http://site.thaiembassy.jp/jp/news/announcement/10509/
https://tokyo.philembassy.net/ja/01announcements/advisory-travel-restrictions-on-foreign-passengers-from-22-march-to-21-april-2021/#nav-cat
https://tokyo.philembassy.net/ja/01announcements/advisory-visa-requirements-for-foreign-nationals-allowed-to-enter-the-philippines-while-under-community-quarantine/
https://tokyo.philembassy.net/ja/01announcements/advisory-travel-restrictions-on-foreign-passengers-from-22-march-to-21-april-2021/#nav-cat
https://xn--tokyo-sm4dtmga4qnd.philembassy.net/ja/01announcements/advisory-testing-and-quarantine-protocols-from-8-may-2021/



<会社概要>
株式会社gr.a.m
東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー24F
03-6859-2252
※「海外情報ナビ」https://global-biz.net 運営会社

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