グローバルコラム
シリーズ 成長市場で勝つ (4)新興国パートナー探しで陥る典型的な落とし穴
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株式会社gr.a.m
代表取締役
谷村 真
海外展開のお手伝いをしていると、その業務の多くに「パートナーを探したい」といったお話をいただきます。海外、特に新興国進出となると対象地域の規制や独特な商習慣によってパートナー探しは難しくなります。しかし、多くの企業はどのような見方でパートナーを選べばいいか分からないという話をよく聞きます。そこで、日頃アドバイスをする際によく抜粋する事例など私なりの経験を織り交ぜながら紹介したいと思います。
その1、不確実要素のパートナー
そのような企業と付き合い始めると、短期的にはうまくリターンを享受することができるかもしれませんが、我々の大きな決断によって展開するねらいやうまみは得られないかもしれません。これは、真のパートナーと共に開拓して初めて得られる分野にあると思います。したがって、新たなネットワーク、取引先、事業領域を開拓する上での能力、意欲、積極性を客観的に測定することが重要です。
我々は複数のリファレンスチェックを実施することで、幅広い角度で最適なパートナーを見つけなければなりません。
その2、ロングリスト症候群
逆に、これらの顧客すべてに関係性が存在する場合、そのパートナー候補はサービス開拓や顧客開拓といった新しい関係性を構築するための時間、資金、体制、物流等の制約が付いて回り、我々の製品に対する義務およびコミットメントを満たすことができない場合があります。
我々はパートナー候補が既存製品による取引を継続する中で、十分に新規で取扱う我々の製品を展開できることを確認する必要があります。
その3、我々の製品を売りたくない
他社製品であっても実績はパートナー候補として非常に魅力的な要素となりますが、特に代理店の地域性が強く出る新興国においては、契約することでその地域で流通させないようにすることも考えられます。
つまり、我々の製品を市場へ参入させないために契約することもありえるのです。
その4、印象妄信症候群
そのように映るパートナー候補であっても、彼らの自社製品やサービスの流通を積極的に管理できておらず、ネットワークに委ねているようであれば本当に優秀なパートナーなのか不安が残ります。我々はパートナーを最終的に選ぶ前に印象でなく実態を慎重に検討することが不可欠です。
私のグローバルコラムは今までインドを紹介してきましたので、インドにおけるパートナー選びの考え方も一つ紹介します。
インドにおける小規模ディストリビューターのメリット
優れた製品知識とマーケティングスキルを持つ小規模のディストリビューターは、大企業の一部門が付き合う大規模ディストリビューターより望ましい場合があります。このような優位性がインド展開のメリットだと判断できる場合は、複数のパートナーの一つとして小規模ディストリビューターをパートナー候補として検討すべきです。
今回の事例はパートナーを発掘する際の一つの考え方にしか過ぎませんが、もし皆さんの展開ステージで共通するシーンがありましたら参考にしてみてはいかがでしょうか。
<会社概要>
株式会社gr.a.m
東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー24F
03-6859-2252
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