グローバルコラム
日本の未来なのか?!中国のモバイル決済
公開日:
Kadence International Inc.(China)
Regional Insight Director
Apollo Dai
今回のグローバルコラムでは、中国・上海のキャッシュレス事情について紹介します。
みなさんもご存じのように、中国では最先端の技術を積極的に導入しており、他国に比べモバイル決済が普及しています。
みなさんもご存じのように、中国では最先端の技術を積極的に導入しており、他国に比べモバイル決済が普及しています。
中国のモバイル決済について詳しい方は「Alipay(アリペイ)」について耳にしたことがあるでしょう。中国のあるメディアによると、中国の進める「一帯一路」構想に関係する20カ国の若者が「中国の新4大発明」に高速鉄道、シェア自転車、ネット通販と並べてAlipayを選んだそうです。電子商取引サイト「Taobao(タオバオ)」の第三者保証決済アカウントとして導入されたAlipayは、スマートフォンの普及によって独立したアプリへと成長しました。私自身も毎日このサービスを利用しています。
私は地下鉄で通勤していますが、残念ながら、上海の地下鉄ではAlipayや、同じくモバイル決済のWeChat Payを使うことはできません。上海の地下鉄は他の会社と提携しており、別のアプリをダウンロードする必要があります。以前住んでいた杭州市ではAlipayで地下鉄やバスの支払いができますので、中国へのご旅行や転勤の際は、都市の情報をチェックしてみてください。
上海の観光は地下鉄やバスが便利です。お得な公共交通カードもあり、これはAlipayやWeChat Payでチャージできます。
ランチの時間にもAlipayは活躍します。Alipayは、中国で有名なフードデリバリープラットフォーム「Ele.me」への注文も可能です。ちなみに、映画のチケットの購入やタクシーの手配、ホテルの予約にも使えます。
オフィスから帰宅するときには、私は地下鉄の駅までシェア自転車を使います。オフィスの前に並んだシェア自転車のQRコードをスマートフォンでスキャンすると、鍵の暗証番号が送られてきます。私は、たいていデポジット(預り金)が不要な「Hellobike」か「Mobike」を使います。頻繁にサービスを利用する場合は、マンスリーカードがおすすめです。
ただ、最近二人の周りで「WeChat Pay」の利用者が増えているようで、「WeChat Pay」をようやく使い始めたそうです。「Red packet(紅包)」を送ることから挑戦し、次第に水道や電気などの公共料金の支払いにも利用したいと話しています。中国では、春節の前にお年玉やご祝儀を渡す慣習があります。このときに中国で縁起がよいと言われる赤色の紙や封筒でお金をつつむことから、デジタル時代のWeChat Payでも送金はRed packet(紅包)と呼ばれているのです。
私は、公共料金もAlipayで支払いをしています。料金の請求書に支払いコードが記載されており、Alipayにアクセスして該当する公共料金の支払いを見つけるだけの簡単な手続きです。料金の支払いのために長い列に並ぶ必要がなくなったことは、非常にありがたいです。
ただ、家賃の支払いについては、大家さんに銀行振込にするよう言われています。AlipayやWeChatは取扱料金がかかるからです。
最近は、病院や薬局などでもAlipayを利用できるようになりました。病院では使えないだろうと思い現金を持参したのですが、Alipayで支払いができることがわかり驚いたことがあります。
レストランでもメニューを置いていないところもあります。お客さんはWeChatでQRコードをスキャンして注文ができます。食事後の支払いももちろんWeChatでできてしまいます。
小包みを送るときにも箱にあるバーコードをスキャンするだけで支払いができます。
近所の小型スーパーでもAlipayやWeChatで支払いをすることができます。オンラインショッピングではなく、リアルの店舗での買い物にもモバイル決済が浸透しているのです。支払い時に紙幣や硬貨を数えたり、釣り銭の間違いに気を遣ったりする必要がなくなり、店側もお客さん側もストレスが減ります。
関連ページ
関連サイト