デジタルマーケティングコラム

SNSの歴史とは?SNSの誕生から未来までをたどる

Facebook X

今やSNSは人々の生活の一部になり、マーケティングにおいてもSNSの活用は不可欠となっています。しかし、SNSの流行は移り変わりが激しいため、ユーザーがどのような利用をしているのかを把握して施策に反映させる必要があります。そこで今回はSNSの歴史をたどり、SNS普及の流れや移り変わりから将来のSNSまで考察します。

SNSの歴史1|1990年代後半

SNSが登場したのは、個人のインターネット利用が広がりを見せ始めた、1990年代後半です。SNSがどのように生まれ、大衆化してきたのかを紹介します。

SNSの起源

SNSの起源とされているのは、1997年に登場した「SixDegrees.com」です。今日のSNSの基本的な機能である下記の機能を有しており、ユーザー間のコミュニケーションが可能でした。

・自身のプロフィールの作成
・友人のプロフィールの閲覧
・友人のリスト化
・ユーザー検索機能
・メッセージ機能

ただし、当時は誰もがインターネットにアクセスできるというほどネット環境が普及していませんでした。そのため、ユーザーは100万人ほどでサービスが爆発的に普及するまでには至らず、トラブルもあり2001年にサービスを終了します。

ネット掲示板の登場

日本でインターネットが急速に普及したのは、Windows 95搭載のPCが発売された1995年からです。Windows 95は初期状態でインターネットに接続できる機能が搭載されたことから、インターネットが大きく注目されるようになりました。

インターネット上でのコミュニケーションは掲示板が中心で、「みゆきネット」や「2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)」などが利用されていました。SNSのように個人のつながりがベースとなるサービスが登場するのは、2000年代になってからです。

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SNSの歴史2|2000年代

SNSが大衆化するのは、2000年代に入ってからです。現在主流となっているサービスも、この時代に誕生しています

SNSの多様化

2000年代に入り、SNSは初期の発展期を迎え、さまざまな特徴のあるSNSが登場しました。SNSの基本的な機能は確立されていたものの、主な利用者層は、若者やIT関係者など一部に限られており、今日のように幅広い層に利用される状況には至らず、徐々にユーザーを増やしているという状況でした。

2000年代の初頭に、どのようなSNSがあったのか、海外と日本に分けて紹介します。

・海外におけるSNSの状況

SixDegrees.comの終了翌年の2002年には、SNSの基本となる友人の友人を検索する機能が導入された「Friendster」が登場しました。

2003年には、音楽やエンターテインメントを中心としたSNS「MySpace」が登場します。ユーザーがカスタマイズできるプロフィールページを提供し、若者を中心に人気を得ました。また、同年にはビジネスユースに特化したSNSの「LinkedIn」もサービスを開始しています。

・日本におけるSNSの状況

日本でSNSが広く普及したのは、2004年に登場した「mixi」がきっかけです。当初は、ユーザーからの招待がないと利用できない会員制であることに特別感があり、多くのユーザーに広まりました。日記機能やコミュニティ機能など豊富な機能を通じて、ユーザー同士のコミュニケーションが活発に行われていました。

そして、モバイル向けSNSとして2005年には「GREE」、2006年には「モバゲー」が登場し、ソーシャルゲームのプラットフォームとして発展します。これらの日本発のSNSは、日本独自の文化や利用スタイルを反映していたことから多くのユーザーを獲得し、日本でもSNSが浸透していきます。

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出典:総務省「通信利用動向調査」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05b1.html

Facebook・Twitterの登場と大衆化

SNSが本格的に普及をはじめたきっかけとなるのは、2004年に登場した「Facebook」と2006年に登場した「Twitter(現:X)」です。

Facebookは、開始当初はハーバード大学の学生向けのサービスでしたが、次第に他の大学へと拡大し、2006年には一般ユーザーにも開放されるようになりました。掲示板などのコミュニケーションとは異なり、実在の人間が実名で、写真の共有機能や「いいね!」ボタンを通じたコミュニケーションができることから、幅広いユーザー層の獲得に成功しました。

Twitter(現:X)は、140文字という短文投稿によってコミュニケーションができるSNSとして登場しました。Twitter(現:X)の特徴は、リアルタイム性の高いコミュニケーションができることです。手軽に情報を発信でき、拡散性が高いことから、ニュースや情報共有のツールとして広く利用されるようになりました。

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SNSの歴史3|2010年代

2010年代に入ると、さらにSNSの利用者は拡大する一方、特有の課題が生じるようにもなりました。

SNS利用者の拡大

2010年代になると、新たなSNSの登場により多様化が進み、スマートフォンの普及とともに利用者も増加します。2010年には、写真共有に特化した「Instagram」、2011年にはWeb上の画像を共有するSNS「Pinterest」が登場しました。

さらに、2011年には、投稿が短時間で消えるメッセージングアプリ「Snapchat」が登場し、若者を中心に人気を集めます。この投稿が短時間で消える「ストーリー」の仕組みは、のちにInstagramやFacebookに取り入れられ、SNSの新たな源流となりました。

国内では、2011年に、連絡先によるつながりをベースとしたメッセンジャーアプリ「LINE」が登場します。スタンプ機能や無料通話機能を備えたシンプルでクローズドなコミュニケーションツールとして急速に普及し、現在では社会インフラとして浸透しています。

SNSによる課題

SNSは大衆化と多様化が進み、誰もがアカウントを持つ身近な存在となりました。しかし、同時に社会に大きな影響を与えるようになり、新たな課題も生まれています。

1点目は、情報の真偽を問わず多くのユーザーに拡散されることで、社会的な混乱を引き起こすことです。2016年や2020年のアメリカ大統領選挙では、候補者に関するデマが拡散され、選挙に影響を与えたのではないかと問題視されています。現在でも、ニュースに関する不確実な情報が拡散され、問題になることがしばしばあります。

2点目は、プライバシーの問題です。2018年には、Facebookの個人データがコンサルティング会社に不正利用された「ケンブリッジ・アナリティカ事件」が発覚し、大きな問題となりました。

3点目は、SNSの過度な利用が、依存症を引き起こすことです。SNSから離れられない「SNS中毒」となり、健康被害やコミュニケーショントラブルなどを引き起こすユーザーも出てきています。

このような課題に対して、各国ではSNSに関する法規制が行われるようになっています。EUでは、2018年に個人情報の取り扱いに関する厳しいルールを定めた「一般データ保護規則(GDPR)」が施行されました。

日本でも、2020年に「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(出会い系サイト規制法)」が改正され、SNSに対しても適用されるようになっています。

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SNSの歴史4|2020年代

2020年代に入り、SNSはさらに発展しています。

SNSの栄枯盛衰

世界のSNSユーザーは、2023年の49億人から2028年には60億5,000 万人に増加することが推測されています。また、日本でも、SNSの利用者は年々増加しており、2023年には1億580万人、2028年には1億1,360万人に増加する見込みです。

出典:総務省「令和6年版情報通信白書 第7節 ICTサービス及びコンテンツ・アプリケーションサービス市場の動向」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/n2170000.pdf

しかし、SNSは移り変わりが激しくなっています。2010年代に多くの若者を獲得した「Twitter(現:X)」や「Facebook」は、10年程度で流行が変わり、現在では「TikTok」や「Instagram」が主流です。他社と差別化を図った新たなSNSが登場すると一時的には流行しますが、長くは続いていません。音声SNS「Clubhouse」や位置情報共有アプリ「Zenly」などがその代表的な例です。

なお、SNSが欠かせない存在になったからこそ、SNSと一定の距離を取る「SNS離れ」という言葉まで登場しています。高い依存度や簡単に他人と比較できてしまうため、ストレスが溜まってしまうからです。

SNSの未来

SNSはコミュニケーションツールとして、今後も形を変えて続いていくと考えられます。SNSの未来を推測する上で、AIやVR、ARといった技術の進歩は欠かせない要素です。

例えば、AIを活用すれば、ユーザーの興味や関心に合ったコンテンツの提供や、不適切なコンテンツの自動検知などが可能です。VRやARを活用すれば、没入感のあるコミュニケーションを可能とし、新たなユーザー体験の提供が期待できます。

また、オンラインとオフラインの融合も進むと考えられます。SNSが現実世界とシームレスに連携し、SNSで知り合った人と実際に会う、SNS上のイベントが実際のイベントにつながるといった体験が一般的になる日が来るでしょう。

 

まとめ

SNSは社会インフラのひとつとされるほど普及し発展を続けていますが、多様化が進み、主流は時代に応じて移り変わりを見せています。SNSマーケティングを成功させるには、これまでの歴史を参考にしながら、施策を考えることが重要です。

 

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