デジタルマーケティングコラム
デジタルリテラシーとは?その必要性や高めるコツを解説
公開日:
デジタル技術がインフラのひとつとして成立している現代社会では、ネットリテラシーに加えてデジタルリテラシーの醸成が欠かせません。目まぐるしく変化する時代の中で企業が生き残るためには、さまざまなデジタル技術を駆使して、生産性を上げていく必要があります。今回はデジタルリテラシーとはどのようなものか、メリットやデメリットとともに能力を向上させるコツをご紹介します。
デジタルリテラシーとは
デジタルリテラシーとは、あらゆるデジタル技術を理解したうえで、適切に活用できるスキルのことです。現代はパソコンのみならず、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスをはじめ、さまざまなソフトウェアがリリースされています。デジタルリテラシーは、上記のデバイスやソフトウェアを活用して、業務を円滑に進めるために必要なスキルです。
デジタルリテラシーとネットリテラシーの違い
デジタルリテラシーと混同されやすい言葉がネットリテラシーです。ネットリテラシーはインターネットの正しい使い方を理解し、情報を適切に取捨選択して活用できるスキルのことです。どちらも現代社会において重要なスキルである点は共通しています。大きな違いとして、ネットリテラシーがインターネット利用に焦点を当てているのに対して、デジタルリテラシーはデジタル機器やソフトウェアの取り扱いに特化していることが挙げられます。
デジタルリテラシーが必要とされる背景
現代社会においてデジタルリテラシーが重要視されている理由は複数挙げられます。ここでは代表的な3つの背景を解説します。デジタルデバイスの普及
第一に挙げられる背景は、デジタルデバイスの急速な普及です。これまでビジネスシーンで使用されるデバイスといえば、パソコンやいわゆるガラケー(携帯電話)が一般的でした。現代はパソコンのほか、スマートフォンやタブレットなど利便性に優れたデジタルデバイスが普及しており、場所を問わず円滑に業務を進められるようになっています。ペーパーレスを推奨する企業ではデバイス上で稟議書や会議用資料をやり取りするケースも多く、スマートフォンやタブレットも今やビジネスシーンで欠かせない存在です。
そのため、企業は各デバイスの機能を正しく把握し、従業員が適切に活用できるよう指導する必要があります。
業務の効率化・DX化
第二に挙げられるのは、あらゆる業界において業務の効率化・DX化が求められていることです。少子高齢化が加速している日本では、労働力不足が課題となっています。人手が足りなければ従業員一人ひとりの負担も大きくなり、職場環境の悪化を招きかねません。限られた人数で生産性を最大化させるには、DX推進や業務フローの見直しなどによる業務の効率化が必要です。
DXは単純にアナログ資料のデジタル化や生産工程の自動化のみを指すわけではありません。従業員がデジタルリテラシーを向上させ、デバイスやツールを正しく使いこなしてこそDXの実現および業務の効率化につながります。
働き方改革
第三の背景として働き方改革の影響が挙げられます。近年は行政主導による働き方改革に加えて、新型コロナウイルス感染症などの影響で、多様な働き方が推進されるようになりました。特にテレワークは、場所や時間を問わず柔軟な働き方が実現できるため、育児や介護などのプライベートと仕事を両立させたい従業員にとってもメリットが大きいといえます。
とはいえ、テレワークを導入・実施するには、オフィス以外の場所でもスムーズに仕事ができるような環境作りが必要です。また、情報漏洩のリスクにも細心の注意を払わなければならないため、従業員のデジタルリテラシーの醸成が求められます。
デジタルリテラシーの低下によるデメリット
デジタルリテラシーを向上させると、業務の効率化や社内のDX促進につながります。働き方改革の下地としても、各従業員のデジタルリテラシーが不可欠です。従業員のデジタルリテラシーが低い状態を放置すると、企業には次のようなデメリットが生じます。
企業としての競争力が低下する
1つ目のデメリットは企業そのものの競争力が低下することです。デジタルリテラシーが低いと市場動向や顧客のニーズを正しく把握できず、競合他社に後れをとってしまうおそれがあります。市場動向を探るためにはデータ分析のスキルが必要です。しかし、分析に必要なツールを使いこなせなければ、消費者のニーズを満たせるような商品やサービスを生み出すことが難しくなります。
労働生産性が低下する
2つ目のデメリットは労働生産性の低下です。従業員のデジタルリテラシーが醸成されないまま、業務の大半をアナログな手法で続けていると、かえって業務負担が大きくなります。
例えば、紙ベースの書類管理は、作成や保管に手間や時間がかかりやすいうえ、人為的なミスが発生することもあります。デジタルに比べると、情報の伝達が遅れてしまうことがあり、作業が滞ってしまうこともあるでしょう。
また、デジタルツールを導入しても従業員が使い方を理解していないことで機能を活用できず、徒労に終わってしまうケースも少なくありません。
情報漏洩などのインシデントが発生する
3つ目のデメリットは情報漏洩などのインシデントが発生してしまう点です。従業員のデジタルリテラシーが身に付いていない場合、セキュリティへの意識が薄いことから、企業にとって不利益な事態を引き起こしてしまうリスクがあります。
例えば、個人情報が含まれたUSBを外部に持ち出したり、問題のあるWebサイトにアクセスしてマルウェアに感染したりすると、情報漏洩といったインシデントの発生を招きかねません。
最悪の場合、顧客や取引先からの信頼が損なわれるおそれもあります。
デジタルリテラシーを向上させる方法
従業員のデジタルリテラシーが欠如していると、企業としての競争力が衰えるほか、生産性の低下をもたらす可能性があります。このような状況を打開するためにも、企業は社内全体でデジタルリテラシーの向上に努めなければなりません。ここでは、デジタルリテラシーを向上させる方法を3つご紹介します。
目的を明確にして共有する
まずはデジタルリテラシーを向上させる理由を全社で共有しましょう。どのような目的があり、従業員のデジタルリテラシー向上に取り組むのか理解してもらうことで意識の統一を図れます。目的を共有するときのポイントは、可能な限り具体性のある目標を掲げることです。例えば「DX推進のため」のみでは、従業員がイメージをもちにくく、自分事として捉えにくい可能性があります。「業務上のミスを軽減させる」「ワークライフバランスを向上させる」など、目的を明確化することが大切です。
デジタルスキルを評価の対象にする
目標を掲げるのみならず、評価に含めると従業員のモチベーションアップにつながります。ツールを適切に活用できているか、セキュリティに関する知識は十分かなど、デジタルスキルを人事の評価項目に加えましょう。従業員それぞれのデジタルリテラシーを可視化できるうえ、現状把握もできます。
継続的なデジタルリテラシー教育を実施する
デジタルリテラシーは継続的に向上させることが大切です。デバイスやツールに加えて、セキュリティリスクも日々変化しています。時代に合わせて個々のデジタルリテラシーをレベルアップさせれば、企業全体の生産性向上が期待できます。デジタルリテラシーの教育を続けていくには、社内のみで完結させないことが重要です。専門家や講師を外部から招いて社内研修を行ったり、専門会社によるセミナーに従業員を参加させたりと外部の力も借りましょう。
テレワークの従業員が多い企業をはじめ時間や距離の制限がある場合は、eラーニングの活用もおすすめです。
まとめ
ビジネスにおいて、デジタルデバイスやツールは必要不可欠な存在となっています。デジタル技術を活用して生産性の向上を図るには、従業員に対しデジタルリテラシーの教育を施すことが重要です。経営層やリーダー層が主導して目的を掲げ、十分な教育環境を整えることで、競争力の向上が期待できます。