デジタルマーケティングコラム

SNSでバズる面白い広告の特徴とは?話題の広告5選

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株式会社クロス・マーケティング
カスタマーソリューション本部 デジタルソリューション部 デジタルソリューショングループ
マネージャー

松本 啓民

近年インターネットやスマートフォンの利用が一般的となり、マーケティングの成功には、SNSで注目を集める、いわゆる「SNSでバズる」広告が重要視されるようになってきました。今回はSNSでバズる面白い広告の特徴と、話題になった広告例を5つご紹介します。

面白い広告とは何か?

面白い広告とはインパクトが大きく、多くの人の興味を惹いて話題となる広告です。

広告媒体には、CMなどのマス広告や交通広告、屋外広告、ネット広告などさまざまな種類があります。インターネットが普及した現在では、SNSで瞬く間に拡散される広告は面白い広告といえるでしょう。

そのようなユニークな広告を打ち出し、「面白い!」と話題になるようにするには、どのような仕掛けが必要なのでしょうか。話題になった面白い広告と、その理由についても考察しながらご紹介します。


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面白い広告例 1. 就活生の目線を上げる広告

スカウト型新卒採用サービス「OfferBox」は、就活生向けの広告として東京・渋谷駅の超大型ボードに「このくらいの目線が、自信に効く。」というメッセージを掲示しました。

ボードの大きさは約2m×22mで、その上部3分の1の位置にメッセージを配置していることがデザインのポイントです。ボディコピーや企業名よりもメッセージが目立ち、より強い印象を与えています。

そして、この広告はただ大きいから目立つというだけではありません。行動心理学では、視線を上げれば気持ちが前向きになると考えられています。そこで、あえて目線より上の位置にメッセージが来るようデザインし、下部3分の2は余白としているのです。

「OfferBox」はスカウト型の新卒採用に取り組む就活支援サービスで、広告には「ネガティブに陥りやすい就職活動に対して前向きになれるように」という思いが込められています。広告出現時、SNSでは素敵、面白いと話題になっただけでなく、就活生に寄り添うという「OfferBox」のスタンスについて多くの人に知ってもらえる良い機会となりました。

出典:「行動心理学に基づき、気持ちが前向きになる「視線が上がる広告」が登場 就活支援サービス「OfferBox」より就活生向けメッセージを掲出」(i-plug)
https://i-plug.co.jp/news/7664/

面白い広告例 2. 親から我が子にかける言葉に泣ける広告

「明治プロピオヨーグルトR-1」は、2022年の大学入試共通テスト開始時に、東京大学の最寄り駅を中心に駅と電車内の広告ジャックを行いました。「落ち着いてね!」「とにかく全部埋めるように」などの受験生の子を持つ親からのメッセージを広告とし、受験生を応援する内容となっていました。

駅のポスター広告では、試験会場に向かう方向から見るときと、試験会場からの帰りの方向から見るときで表示される文字が変わるような仕掛けを行った面白さも話題となりました。

出典:「行きは応援!帰りは労いの言葉!?大学入学共通テストにあわせて明治R-1が親御さんの"愛に溢れた言葉"を届ける前代未聞の受験生応援広告を展開。」(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000071996.html

面白い広告例 3. 受験生の声をもとにネタとして掲載した広告

「明治プロピオヨーグルトR-1」は、2021年にも面白い広告を掲載しています。そのなかでもバズったのが、渋谷駅に掲示された大きな文字で「墾田永年私財法」と書かれた広告です。

「墾田永年私財法」は多くの人が歴史で学んだワードで、語感の気持ちいい言葉として挙げられています。普段目にしないものの誰でもこのワードは知っており、字面にも強いインパクトがありました。

この掲示だけでも印象に残るのですが、広告が偶然に東京都総合防災部のツイート内の写真に背景として写り込んでいたことで多くのユーザーの目に触れることとなりました。渋谷界隈だけでなく全国的に大きな話題となったのです。

この年の広告では、そのほかにも数学で腹が立ったこととして「移動する点P」や選択肢の答えに迷ったときの「3は裏切らない」など、受験生なら誰でも感じたことにあるリアルな声を広告として使用しています。そのため、広告を見た受験生や受験経験者の共感や懐かしさを呼びました。

出典:「「ひとりじゃない!」 明治R-1が孤独や不安を感じる全ての受験生に贈る 思わずほっこりする“受験生あるある広告”」(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000071996.html

面白い広告例 4. 読者が広告を探したくなる広告

金鳥(大日本除虫菊株式会社)が2022年に実施した「お風呂の防カビムエンダー」の3日連続の広告も、続きが気になり面白いと話題になりました。

1日目に掲載されたのは全面広告ですが、中央の商品写真に添えられたコメントに「三分の一くらいのスペースでいいんとちゃうか」とあり、担当者と思われる人の「明日、やってみます」というやり取りが掲載されています。

これだけでもインパクトが十分にある広告ですが、2日目に掲出されたのは、実際に広告枠を小さくし「もっと小さくてもええんとちゃうか」「明日、やってみます」というやり取りが載った広告でした。

この時点で面白さに気づいた人も多く、SNSで話題となっていましたが、3日目には商品写真がない小さな枠での広告で、「いくらなんでも小さすぎる でっかくしてくれ」とのコメントが掲載されたものでした。
3日目には続きが気になって広告を探したくなってしまうという、ユニークな広告です。

このほかにも、金鳥は新型コロナの流行で社会の先行きが不透明であった2020年に「もうどう広告していいかわからないので。」というコピーの広告を掲出した際にも話題を呼びました。
広告には「ゴキブリムエンダー」に関する情報はあるものの、具体的な広告内容は記載されていません。KINCHOの頭文字をもとにしたさまざまなパターンの広告を二次元バーコードのみで掲載する形式で、読者は二次元バーコードからアクセスしないと広告を見ることができないという手法です。

広告が気になった人はすべての広告にアクセスをするため、ホームページのサーバーが重くなるほどの反響が見られました。


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面白い広告例 5. これ何?とWEBで調べたくなる広告

相鉄ホールディングスが実施した新聞広告は、検索窓にキーワードが掲載されたものが6つ並ぶだけというユニークな内容でした。

広告内には相鉄とJRの相互直通運転がスタートすることの告知はありますが、それ以上の情報はありません。検索窓の中には相鉄と関係のないキーワードも表示されているため、「これ何?」と意味を知りたくなり、検索する読者が続出しました。

検索したくなることを狙ったWebと紙を組み合わせた広告は、今までにないアプローチ方法で画期的であると話題になっています。

面白い広告にみられる特徴

SNSでバズる面白い広告には、大きく2つの特徴があります。ユニークな広告を制作するには、以下の特徴を押さえると良いでしょう。

最初に目に入ったときに面白い印象を与えられる

そもそも広告は人の興味を惹き、存在を認知してもらうためのものです。
だからこそ、目に入った瞬間の印象で商品や広告のイメージは大きく変わります。これは心理学における「初頭効果」であり、最初の情報に人間の脳内は強く影響を受け、第一印象は簡単に覆せません。

そのため、面白くバズるような広告を制作するには、広告を目にした人に対して最初にいかに面白いか、インパクトを与えられるかがポイントになります。
特に、大型看板や新聞の1面、電車ジャックなどは、見る人に大きなインパクトを与えます。訴求力があるだけに、どのように人を惹きつけるかが重要です。広告のターゲットや広告意図を明確にし、初見で直感的に面白いと思えるメッセージを伝える必要があるでしょう。

人の気持ちをポジティブにさせる力がある

広告には、人の気持ちをポジティブにさせる力があります。例えば、苦しい状況で励まされる広告を見ると、もう少し頑張ってみようと思うのではないでしょうか。

広告を面白いと思ってもらうには、見た人の興味を惹くだけでなく、共感やポジティブな気持ちを引き出せる要素があることも重要です。ポジティブになれた広告だからこそ、ほかの人にも見せたいという心理が働きSNSでの拡散につながります。

まとめ

SNSでバズる広告の多くは、単純に見て面白いだけではありません。初見のインパクトはもちろんのこと、人を惹きつけるようなメッセージや共感性を持ち、印象付けることを意識して綿密なプランニングが行われています。今回ご紹介した広告例をはじめ、先例の広告がなぜ面白いのかを分析し、自社の広告制作に活かしていきましょう。

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