デジタルマーケティングコラム
オウンドメディアを運営する上での8つの課題|それぞれの解決策も解説
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WEBライティング~メディアの制作ディレクション業務・SNS運用・YouTubech運営/広告運用などで活動しているWEB系フリーランス。
SEO,YouTube,Twitter,Instagram,TikTokの集客媒体全般で集客・コンテンツ制作経験あり。読者・視聴者の潜在ニーズを拾い上げ「見たくなるコンテンツ制作」を意識しています。運営したYouTube漫画 chでは売上20倍に貢献。記事制作に携わったメディアは30サイト以上。現在は、SEOのコンテンツ制作をメインの業務としています。
オウンドメディアを運用したいのに、目的が定まらなかったり人員や時間を割けなかったりと、さまざまな課題を抱えている方は多いのではないでしょうか。また、サイト自体は完成しても、コンテンツが安定して制作できず、なかなか売上に結びつかないケースも少なくありません。本記事では、オウンドメディアを運営する上での8つの課題と、それぞれの解決策を解説していきます。オウンドメディアの立ち上げや運営でお悩みの方は、ぜひご覧ください。
武田 竜輔
課題1:目的やデザインが定まらない
何のためにオウンドメディアを作るのかが定まっておらず、どういったデザインにするか決まらない事例は多くあります。目的やデザインが定まらない場合は、まず自社の立ち位置と目標や課題を明確にしたうえで、オウンドメディアをどのように活用するかを考えるのが大切です。ブランドガイドラインとコンテンツ戦略を策定
オウンドメディアを運営する目的を考えるために、まず「ブランドガイドライン」を策定しましょう。ブランドガイドラインとは、ブランディングするためのルールをまとめたものです。ブランドガイドラインには「会社のビジョン」「ターゲット」「ロゴ」「タイポグラフィ」などに関する決まりを細かく記載します。
そしてブランドガイドラインが策定できたら、オウンドメディアに投稿するコンテンツの戦略を考えます。ターゲットのニーズや会社の方向性に沿った内容を策定しましょう。
ウェブデザイナーやブランドコンサルタントを外注
ブランドガイドラインとコンテンツ戦略を策定したら、ウェブデザイナーやブランドコンサルタントを外注して、具体的にどのようなサイトデザインが適切かを考えます。専門家に依頼すれば、ブランドガイドラインに沿った形で最適なデザインを提案してくれるでしょう。ビジネスの目標やブランドの価値を反映したデザインを作成することが大切です。
課題2:必要性の理解を得られない
オウンドメディアの課題として、決裁権を持つ人々に必要性を理解してもらえず、予算が組めないといったものもあります。それによって予算が少なくなり、理想的なサイトを構築できなかったり人員が割かれなかったりするために、制作スケジュールが立てられなくなるケースも少なくありません。効果や必要性を示すデータや事例を共有
オウンドメディアの必要性を感じてもらうためには、まず数字ベースでプレゼンしていくのが大切です。「こんなサイトを作りたい」という思いだけでは、上層部の理解を得るのは難しくなります。「A社ではこんなサイトを作り、売上が25%上がった」「B社では問い合わせ全体のうち45%がWebからとなっている」など、成功事例を用意して説得するとよいでしょう。
ビジネスへの貢献度を具体的に説明
オウンドメディアを運営することで、ビジネスにどういった貢献ができるかを示すのも大切です。公式サイトのSEO対策になる、ブランド認知度が向上する、顧客エンゲージメント(信頼性)が高まるなど、具体的な利点を挙げていきましょう。また「ビジネスに貢献するために、こういった方向性で運営する」といったビジョンを明示するのも重要です。
課題3:記事のネタ探しに難航する
オウンドメディアは投稿する記事の内容が自由な分、正解もないため、ネタ探しに苦労する人も多くいます。どれだけ良いオウンドメディアを作っても、投稿する記事がなければ意味がありません。記事のネタがないと悩む方は、以下のような対策を試してみましょう。
ターゲットの疑問や問題を探す
まずは、自社のターゲットがどういった悩みを抱いているかを考えましょう。顧客からのアンケートや、SNS投稿、関連するフォーラムやQ&Aサイトなどから情報収集するのがおすすめです。
また、調査して分かった疑問一つひとつから関連する疑問や不安などを調査するのもよいでしょう。疑問や不安などを洗い出せたら、その答えとなるコンテンツを作成してみてください。
競合他社のコンテンツ戦略を分析
競争他社のコンテンツ戦略を分析すると、どのようなトピックに焦点を当てているかが分かります。また、どういった構成でコンテンツを作成していくか、関連情報として入れ込むべきものは何かといったヒントも得られるでしょう。自社のコンテンツギャップを埋めるためにも、競合他社のコンテンツを分析するのは役立ちます。
課題4:記事を定期的に更新できない
オウンドメディアは、最低でも30記事以上はないとサイトとしてのボリュームが乏しく感じられます。記事を定期更新していく必要がありますが、人的・時間的リソースが足らず、メンテナンスが思うようにできないケースも少なくありません。
オウンドメディアの担当を専任にする
担当者がほかの業務と兼任しているとコンテンツの品質を維持しにくくなります。オウンドメディアの運営においては、文章を執筆するだけでなく、取材や写真撮影、編集、競合の調査、ターゲットニーズの調査などさまざまな作業が発生するためです。
オウンドメディア担当の専任社員を確保して、コンテンツ投稿を継続できる体制を整えましょう。
業務委託や代行業者へ外注する
一部の業務を外部委託や代行業者へ外注するだけでも、継続してコンテンツを更新しやすくなります。ライターや編集者を複数名外注して、コンテンツを作成する流れを安定化させるのが一般的な手法です。外注を利用しつつ、校閲や入稿などの重要な部分のみを自社で行うとトラブルを防ぎやすくなります。
課題5:記事の内容に面白みがない
オウンドメディア運営において特に多いのが、「記事がつまらないので読んでもらえない」といった課題です。実際、プロのライターでもない限り、どんどん読み進めたくなるような文章を書くのは至難の業でしょう。記事の内容に自信がない場合は、以下のような対策を試してみてください。ストーリーテリングを活用
ストーリーテリングとは、とある物語を語ること、つまり成功事例や製品開発のストーリーなどを語る文章を意味します。読者の興味をひきやすく共感を得やすくもなるため、多くの人が活用している手法です。
起承転結が自然につくので、最後まで楽しく読める文章が書けます。
視覚的要素を利用
画像や動画などの視覚的要素をたくさん挿入するのも、記事に面白みを持たせるアイデアの1つです。何らかの情報をイラストや図を交えながら解説する「インフォグラフィック」を用いているコンテンツも多く見受けられるようになりました。ただし、ファイルサイズによってはページ自体が重くなり読み込み時間がかかるようになるため、画像や動画が多ければいいというわけではない、という点には注意が必要です。
課題6:記事の質が安定しない
記事の品質が安定せず、サイトに一貫性がなくなってしまう事例も少なくありません。まったく同じ人が執筆したとしても、情報の濃さや文章のリズム感、語彙の多さなど、さまざまな要素によって記事の品質がブレてしまうケースは多くあります。そうならないための対策は以下の通りです。クオリティチェックのプロセスを設ける
まずは、記事公開前のクオリティチェックのプロセスを明確化しましょう。誰がどのような流れでコンテンツのチェックを行うのか、公開までのプロセスを細かく決めます。
文章の正確さや、SEOの最適化といった内容をチェックする体制が整っていれば、記事の品質も保ちやすくなるはずです。
ライティングガイドラインを作成する
チェック体制が整ったら、クオリティチェックやライティングで使用するガイドラインを作成しましょう。「情報は正確か」「リンクは正しく設定されているか」といった項目から「漢字の閉じ開き」「文法」「コンプライアンス関連の事項」などをチェックリストにしてください。
誰が読んでも理解できるくらいに、分かりやすいチェックリストを作成することが重要です。
課題7:PVが伸び悩む
オウンドメディアを運営しても、なかなかPVが伸びないといった課題は誰もが直面するものです。検索流入はもちろん、SNSからの流入も少なく、運営し続けるのが困難になってしまうケースもあるでしょう。PVが伸び悩んでいる場合は、以下の検索上位を獲得するための施策と、検索流入以外を増やす施策を併行するのがおすすめです。
SEOを強化
SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果において上位を獲得するための施策です。タイトルや見出しの付け方、メタディスクリプションの設定、文章の執筆方法など、対策内容は多岐に渡ります。
専門的な知識が必要なので、自社で対策するのが難しい場合は専門業者に依頼するようにしましょう。
SNSやDMなどのプラットフォームを活用
SNSやDMなどを活用し、検索流入以外のアクセス経路を増やすのも解決策の1つです。もし、既存のSNSフォロワーやDM購読者がいるのであれば、そのユーザー達に対する露出を増やしていきましょう。
サイト全体のPVが伸びれば、各コンテンツが検索上位を獲得しやすくなり、新しい読者を獲得できます。
課題8:成果・売上につながらない
PV自体は伸びているのに、売上につながらないといった課題も多く見受けられます。成果が出ないとオウンドメディアを運営する意味がないため、予算がつきにくくなったり、人員を割きにくくなったりするでしょう。
コンテンツに明確なCTAを設ける
まずは、各コンテンツに適切なCTA(Call To Action = 行動喚起)を設置しましょう。CTAとは、サイトに訪問したユーザーの行動を喚起するためのものです。
「メルマガ登録はコチラ!」「無料資料請求はここをクリック!」などのボタンがCTAに該当します。
コンテンツのジャンルが多岐に渡る場合は、訪問したユーザーのコンテンツを読む目的も変わってきます。その場合はそれぞれのユーザーごとに合った誘導ができるように、CTAも3〜5パターンほど用意するとよいでしょう。
定期的な分析・最適化
成果に繋がらない状態を改善するためには、まず現状を正しく把握するのが大切です。どのコンテンツが最もエンゲージメントを生み出しているのか、CVに繋がっているのか、またどのジャンルが弱いのかといった現状の成果と課題を洗い出しましょう。
分析には「Googleアナリティクス」をはじめとした分析ツールを用いるのがおすすめです。
まとめ
オウンドメディアは、単純に自社のビジョンや製品を紹介するサイトではありません。自社の深い部分を知ってもらい、顧客との関係を構築し、新規顧客やコアファンを獲得するのに役立つものです。
本記事の内容を参考に、サイトの構築や運営をして、売上アップを目指しましょう。