デジタルマーケティングコラム
3D広告ってどういう仕組み?広がる可能性や活用方法について解説!
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近年の広告市場は、マス広告に加えリスティング広告やSNS広告、動画広告などさまざまな選択肢に恵まれています。その中で、立体的に見える屋外広告として注目を集めているのが今回ご紹介する3D広告です。2021年7月には、JR新宿駅付近のクロス新宿ビジョンに巨大な立体猫が登場し、街行く人々の大きな話題になりました。この機会に3D広告を活用しプロモーションを展開することで、SNSの拡散やブランディングに効果を発揮するでしょう。本記事では、3D広告の仕組みや屋外広告との親和性、具体的な活用事例について解説します。
3D広告とは
3D広告とは、LEDディスプレイによって、あたかも3次元の映像かのように見せる動画広告です。人間の目の錯覚(錯視)を利用することで、VRゴーグルをかけずに立体的な映像を視聴できます。もちろん、実際に画面から映像が飛び出しているわけではありません。しかし、従来の平面的な動画広告よりも視聴者に大きなインパクトを与えられるため、SNSでの拡散やブランディングなどに効果的です。
3D広告(サイネージ)の仕組み
3D広告が立体的に見えるのは、特定の映像を見た人の目の錯覚を利用しているからです。3D広告はオーバル型と呼ばれる湾曲ディスプレイを活用するケースが多いです。屋外広告などに設置すると奥行きがあるように感じ、映像を見た人からすれば、ディスプレイの裏側に空間があるように錯覚します。すると人間の脳は、画面に映し出された映像が前面に飛び出ているように認識します。
ただし3D広告が立体的に見えるのは特定の位置のみです。この位置を「スイートスポット」といいます。3D広告のコンテンツを作成する際は、スイートスポットを意識し、画面を見る角度や位置を的確に計算することが重要です。
屋外広告(OOH)との親和性について
3D広告は屋外広告と親和性が高く、2023年現時点においてさまざまな場所で活用されています。特に相性が良いのは、徒歩による人通りが多い場所です。あまりにも人通りが少ないと、リーチできる人数が限られ広告の費用対効果が低下してしまいます。また、車や電車などの場合はスイートスポットが確保できず、映像を一瞬しか視聴できないため、徒歩での人通りが多い場所が向いています。
徒歩以外にも、多くの人が立ち止まる場所を選ぶのも良いでしょう。例えば、よく待ち合わせに利用されるスポットや、信号の待ち時間が長い都会のスクランブル交差点などが代表的です。見る角度や位置によって見え方が大きく異なる3D広告だからこそ、どのような場所に設置するかが非常に重要です。
3D広告の活用事例
ここでは、屋外広告を使った3D広告の活用事例を2つご紹介します。事例1:クロス新宿ビジョン
クロス新宿ビジョンは、JR新宿駅 東口駅前広場にあるビルの屋上に設置された街頭ビジョンです。緩やかなカーブを描いた、独特な形状のLEDディスプレイが配置されています。2021年7月には、この街頭ビジョンに大きな三毛猫が登場し、路上を歩く人々に強烈な印象を与えました。クロス新宿ビジョンは新宿駅東口のスクランブル交差点に面しているため、立ち止まってこの広告を見上げる人が多く、SNSでたくさんの情報が拡散されました。
その後は、アニメキャラクターや人気タレントが3D広告に登場し、いずれも大きな話題を集めています。今では新宿のランドマークとして、今後どのような映像が配信されるのかが注目されています。
事例2:ツタヤエビスバシヒットビジョン
大阪には地下鉄難波駅周辺の道頓堀沿いに、ツタヤエビスバシヒットビジョンという街頭ビジョンがあります。この街頭ビジョンのすぐ隣には、心斎橋筋商店街の沿道が北に延びており、日々数多くの歩行者が利用します。また、ビルの手前にある戎橋(えびすばし)は、恋人や友人との待ち合わせ場所によく利用されるため、屋外広告として3D広告を配信するには最適な環境です。
2021年7月には、頭髪治療の大手である「Dクリニック」の肉眼3D広告映像を配信しました。新型コロナウイルスの感染拡大で世の中の雰囲気が落ち込みつつある中、前向きなエールを送ったこともあり、たくさんの情報がSNSで拡散され、大きな成功をおさめました。
まとめ
東京や大阪で大きな注目を集め、SNSでも大きなトレンドとなった3D広告。数多くのユーザーにリーチできるだけではなく、街行く人々の視線を集められることから屋外広告との親和性も高く、今後は効果的なブランディング施策として、より注目が高まる可能性があります。3D広告の効果を最大限に活かすためには、スイートスポットを意識したコンテンツ制作が重要です。屋外広告を見る角度や位置などを十分に配慮し、質の高いコンテンツを生み出しましょう。