デジタルマーケティングコラム
話題のソーシャルコマースとは?ECとの違いや種類、メリットを解説
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WEBライティング~メディアの制作ディレクション業務・SNS運用・YouTube ch運営/広告運用などで活動しているWEB系フリーランス。
SEO,YouTube,Twitter,Instagram,TikTokの集客媒体全般で集客・コンテンツ制作経験あり。読者・視聴者の潜在ニーズを拾い上げ「見たくなるコンテンツ制作」を意識しています。運営したYouTube漫画 chでは売上20倍に貢献。記事制作に携わったメディアは30サイト以上。現在は、SEOのコンテンツ制作をメインの業務としています。
SNSの普及に伴って、近年注目されているのが「ソーシャルコマース」という仕組みです。従来のEコマースよりもさらに快適な購買体験が可能で、消費者・経営者どちらにとってもメリットが大きくなっています。本記事では、話題のソーシャルコマースとは何か、またECとの違いやメリットなどについて解説します。
武田 竜輔
ソーシャルコマースとは?
ソーシャルコマースは、SNSで商品やサービスを販売する仕組みです。SNS (Social Networking Service:ソーシャルネットワーキングサービス)のソーシャルと、Eコマースを掛け合わせた言葉となっています。InstagramやFacebookにあるショップ機能が、ソーシャルコマースの代表的な例です。ソーシャルコマースが流行っている背景として、SNSの普及に伴う消費行動の変化があります。商品やサービスを選ぶ際の行動が「来店・ネット検索」から「SNS検索」へと変化したために、ソーシャルコマースが注目されるようになったのです。
ソーシャルコマースの市場規模は、2026年までに世界全体で1兆9,485億米ドルまで達すると予想されています。国内では、BtoCのEコマースにおけるスマートフォン経由の市場規模が、2021年時点で6兆9,421億円となっている状況です。ソーシャルコマースは、国内外において急速に成長している分野だと言えるでしょう。
参照:
ICT総研「2020年度 SNS利用動向に関する調査」
https://ictr.co.jp/report/20200729.html/
株式会社グローバルインフォメーション「ソーシャルコマースの世界市場 - 業界分析と予測:2020年~2026年」
https://www.gii.co.jp/report/kbv988477-global-social-commerce-market-by-business-model.html
経済産業省「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005-h.pdf
ECとの違い
EC(Eコマース)とソーシャルコマースの違いは、SNSを活用する目的です。ECの場合、SNSを使って認知度を向上させたり、信頼関係を構築したりして、実店舗やサイトへ来てもらうのを主な目的としていました。一方でソーシャルコマースは、SNSで販売まで行える仕組みです。認知度向上から販売まで、すべてをSNS上で完結させるのが活用目的と言えます。
ECとソーシャルコマースでは、顧客の導線も異なります。SNSからサイトや店舗へ移動させるECとは異なり、ソーシャルコマースではSNSで購入できるので、よりシームレスな購入体験ができるのです。
ターゲットについては、ECは幅広い年齢層を対象としますが、ソーシャルコマースの場合は若年層がメインターゲットです。SNSでの買い物に抵抗がない層から広めていく必要があるため、若年層のほか、中国のように以前からSNSでの購買システムがなじんでいた国の人々が、ソーシャルコマースのターゲットとなっています。
ソーシャルコマースの種類
ソーシャルコマースには、さまざまな種類があります。これから導入を考えている方は、各種の特徴を把握しておきましょう。以下の代表的な6つを紹介します。SNS・ソーシャルメディア型
SNS・ソーシャルメディア型は、SNS上で商品を購入できるのが特徴です。SNS投稿に商品購入ボタンが付いていて、そのまま購入ができるような仕組みを指します。また、ライブ配信を見ながらその場で購入できる仕組みも増えている傾向です。SNS・ソーシャルメディア型は、ソーシャルコマースの代表的なものと言えます。具体的な例としては、InstagramやFacebookが挙げられるでしょう。
C2C型
C2C型は「Consumer to Consumer」の略で、一般消費者同士の取引を行えるプラットフォームを利用したものです。消費者が出品したものを、ほかの消費者が購入する仕組みを指します。代表的な事例は、メルカリやヤフオクです。また、Amazon Market Placeも一般消費者が出品可能という点で見れば、C2C型の一例と言えます。C2C型の場合は、取り扱う商品が中古品であるケースも多く、値段を柔軟に設定できるのが魅力です。プラットフォームの運営元が在庫を抱えなくてよいケースが多いのも、物販系ビジネスとしての強みと言えます。
グループ購入型
グループ購入型は、複数のユーザーがグループになって購入できるようなプラットフォームです。日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、中国では「Pinduoduo(?多多)」というグループ購入型サービスが人気を博しています。Pinduoduoは、WeChatやQQといったSNSサービスで商品情報を共有して、複数のユーザーがグループで商品を購入できるサービスです。多くのユーザーで一緒に購入することで、商品をお得に買えるのが魅力となっています。日本でも「KAUCHE(カウシェ)」や「シェアモル(旧:ショッピン)」のようなグループ購入型プラットフォームがあります。
レコメンド型
レコメンド型は、商品の口コミやレビューを参考にして、ユーザーが購入していくタイプです。ECサイト内でのレビューや口コミはもちろん、SNSでの口コミを促すようなプラットフォームもあります。「レビュー投稿で500円オフクーポンをプレゼント」といったサービスは、まさにレコメンド型の代表的な事例です。例としては、amazonや楽天などがあります。amazonでは、SNSへのリンク共有ボタンの設置や、ライブコマース事業の展開などがあり、広義ではソーシャルコマースの例と言えるでしょう。
ライブコマース
ライブコマースは、ライブ配信を見ながら商品購入が行えるような仕組みです。以前のライブ配信は、販促活動の一環として行われていましたが、ライブコマースはその場で商品購入ができるため、より購買率が高まりやすいのがメリットとされています。代表的な例としては、前述したamazonやInstagramのほか、au PAY マーケットのライブTVや、LINEのLIVEBUYなどが挙げられるでしょう。また、スウェーデン発のbambuser(バンブーザー)なども、世界的に注目を集めています。
O2O型
O2O型は「Online to Offline」の略で、オンラインでの販促活動を通して、オフラインの店舗に消費者を呼び込む仕組みです。近年、店舗ならではの購買体験が再び重要視されるようになったために、注目を集めています。代表例としては、各種SNSでの集客が挙げられるでしょう。O2Oはマーケティング手法のひとつですが、SNSを利用した販売手法とも捉えることができ、広義ではソーシャルコマースに含まれると考えられます。
ソーシャルコマースを活用するメリット
ソーシャルコマースを活用するメリットは、顧客と深い信頼関係を築けて、なおかつ簡単に利用できることです。また、確実に購入してもらいやすくなるのもメリットでしょう。以下の項目では、ソーシャルコマースを活用するメリット3つをご紹介します。顧客ロイヤリティの向上
ソーシャルコマースを活用すれば、顧客ロイヤリティの向上が期待できます。顧客ロイヤリティとは、企業やブランドに対する消費者からの信頼です。ソーシャルコマースでは、ユーザーとショップが密にコミュニケーションを取れるので、狭く深いコミュニティを構築できます。ブランドや商品のバックグラウンドを説明したり、スタッフの個性を発信したりすれば、消費者はショップをより身近に感じて、顧客ロイヤリティが向上するでしょう。結果として、硬い信頼関係で結ばれたファンが増えやすくなります。