デジタルマーケティングコラム

インストリーム広告とは?種類や仕組み、成果を上げる秘訣を解説

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株式会社みらいマーケティング本舗 代表取締役
「経営者の右腕」として企業のECビジネス支援、ブランディングやWebマーケティング代行業務を行う。「マーケティング設計図」「ブランドストーリー」「発注力強化」から構成される独自メソッドを実践し、上場企業から中小企業まで十数社に対してマーケティングを活用した売上改善支援を行う。
マーケターとして約20年の経験があり、メーカー勤務時代にはマーケティング責任者として7年間で売上を3.5倍の70億円に成長させた実績を持つ。

堀野 正樹

動画広告の市場は拡大し続けており、2024年には4957億円に達すると見込まれています。それに伴い動画プラットフォームが増えたことで、動画広告の種類も多彩になってきています。この記事では、動画広告のひとつである「インストリーム広告」の種類や、課金方法、出稿手順などについて解説していきます。

インストリーム広告とは

インストリーム広告とは、動画を再生しているユーザーの目に必ず触れる仕様になっており、いわばテレビコマーシャルのような動画広告です。代表的なものに、YouTube動画の再生前後や途中に流れる動画広告が挙げられます。バナー広告よりもアピールしやすく、高い集客効果を見込めるといわれています。

インストリーム広告の種類6つ

インストリーム広告にはいくつか種類があり、再生されるタイミングやスキップの可否などが違います。ここでは主要な6種類を紹介します。

スキッパブル広告

「スキッパブル広告」は、再生されてから一定の時間が経過するとスキップできる動画広告です。多くの場合、5秒間経過するとスキップできる仕様になっています。
ユーザーに5秒間確実に視聴してもらえるため、商品やサービスの認知獲得目的に有効です。

ノンスキッパブル広告(完全視聴型広告)

「ノンスキッパブル広告」は、再生から最後までスキップできない動画広告です。最後までしっかりと動画内容を見てもらえるというメリットがありますが、ユーザーによっては不快感を与えてしまう要因にもなります。

プレロール広告

「プレロール広告」は、動画コンテンツの再生前に表示される動画広告です。動画サイトではもっとも主流な広告手法とされており、「スキッパブル広告」「ノンスキッパブル広告」もプレロール広告の一種です。そのほかにスマートフォン向けの「バンパー広告」があります。
動画コンテンツを視聴するためにはプレロール広告を見る必要があるため、離脱率が低くなりやすく、より多くのユーザーの目に留まりやすいことから商品の認知拡大に適しています。

ミッドロール広告

「ミッドロール広告」は、動画コンテンツを再生している途中に表示される動画広告です。テレビCMと露出方法が似ているため、ユーザーからの嫌悪感も少ない傾向にあるといわれています。ユーザーは動画コンテンツの続きを見たいので、視聴完了率が極めて高いという特徴があります。

ポストロール広告

「ポストロール広告」は、動画終了後に表示される動画広告です。動画コンテンツの邪魔をしないため、ユーザーに嫌悪感を与えにくく、動画の長さの制限を気にしなくても良いというメリットがあります。ただし、ユーザーの興味は本編の動画であるため、それを見終わった後は目的が達成されたことで離脱率が高くなってしまいます。

バンパー広告

「バンパー広告」は、2016年に提供が開始されたYouTube動画広告のフォーマットです。
再生時間が6秒間という短時間であることから、比較的ユーザーにストレスを与えずに情報を訴求できるため、認知度の向上やブランディングに向いています。一方で、6秒間でインパクトを与えるメッセージを使用しなければならず、動画コンテンツ制作に工夫が必要となります。


インストリーム広告の種類

インストリーム広告のメリット

ここではインストリーム広告のメリットについて解説します。ポイントをしっかりと抑えて出稿することが、メリットを享受するためのコツです。

認知拡大に役立つ

動画は一度に伝えられる情報量が非常に多いメディアで、例え5秒以内にスキップをされたとしても短時間でより多くのユーザーの認知を獲得することができます。また、バナーやテキストと比べて、短時間で強いインパクトを残すことが可能です。

費用対効果が高い

インストリーム広告は、動画が30秒以上視聴されたり広告がクリックされたりすると課金対象になるのが主流です。興味のないユーザーに対しては広告費が発生しないため、無駄なコストを抑えながら広告運用ができます。

届けたいユーザーに配信できる

インストリーム広告では、広告出稿時にターゲットの年齢や性別、趣味、関心など細かく設定をすることができます。より綿密にターゲット設定することで、興味を持つユーザーに絞って動画広告を届けることが可能となります。


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インストリーム広告のデメリット

インストリーム広告には以下のようなデメリットもあるため、それを踏まえて出稿する必要があります。

広告作りの難易度が高い

静止画などのバナー画像やテキストと比較すると、動画作成には多くの手間とコストがかかってきます。最初の5秒で興味を持ってもらうために動画作りの工夫が必要になるだけでなく、バナーのように気軽に修正ができないという点も考えた上で作成しなければなりません。

マイナスイメージにつながることも

ユーザーにとって、本来自分が見たい動画コンテンツの間に介入してくる動画広告は「邪魔な存在」と認識される傾向があります。中でも、スキップ不可能な動画広告は特に注意が必要だといえるでしょう。

インストリーム広告の課金方式

続いて、インストリーム広告の費用について解説していきます。インストリームの課金方式は、基本的に「CPV課金」と「CPM課金」の2つです。

CPV課金

CPV(Cost Per View)課金は、動画広告の視聴回数によって広告費用が決まる方式です。動画広告の課金形式の主流となっており、例えばYouTubeの場合、30秒以上動画を再生(30秒未満の動画の場合は最後まで)された回数に応じて支払う広告料金が決まります。

CPM課金

CPM(Cost Per Mille)課金は、別名インプレッション課金とも呼ばれ、動画が1,000回表示されるごとに一定金額が課金される方式です。動画の再生の有無にかかわらずインプレッション(表示)の回数で課金されるのが、CPV課金との大きな違いです。
動画広告の表示単価を抑えつつ広告の表示回数を増やせるため、より多くのユーザーから認知を獲得したい商品・サービスに適しています。

インストリーム広告の出稿方法

ここではYouTubeにインストリーム広告を出稿する手順を解説します。広告配信に必要なのは下記の4ステップです。

1. Google広告でYouTube動画広告を作成

まずは広告配信したい動画をYouTubeチャンネルにアップロードし、Google広告の管理画面のメニューにあるキャンペーンタブの「+」ボタンをクリック。表示された項目の中から「新しいキャンペーンを作成」を選択しましょう。

2. 達成したい目標を選択

続いて「販売促進」「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」「商品やブランドの比較検討」「ブランド認知度とリーチ」「アプリのプロモーション」の中から、広告で達成したい目的を選んだ後、キャンペーンタイプを決めます。
目的により選べる広告の種類が変わるので、動画広告を作成したい場合はキャンペーンタイプに「動画」があるものを選びましょう。

3. 予算の使い方を設定

次に広告配信の予算設定に進みます。予算は「キャンペーンの合計」または「日別」を設定します。キャンペーンの合計を設定する場合は広告配信期間を設定して期間内での最大費用を入力、日別を設定する場合は1日に出稿できる予算上限を入力します。この金額は1カ月の平均値であり、1日ごとの費用は異なる場合もあります。

4. 広告グループを作成

最後に広告を配信するターゲットグループの設定を行います。この設定を行うことで、適切なユーザーに対して動画広告の配信ができるようになります。
「ユーザー」の項目では、どのようなユーザーに広告を表示させるかを設定するため、ターゲットの性別、年齢、興味関心などを選びます。「コンテンツ」の項目では、広告を表示する場所を選ぶことができ、配信するYouTubeチャンネルやカテゴリなどを指定できます。

インストリーム広告で成果を上げる秘訣3つ

インストリーム広告を配信したとしても、再生直後にスキップされたりしてしまうと、本来伝えたかったメッセージを十分に伝えきれません。以下の3つのポイントを実行し、成果を上げられるようにしましょう。

目的に合った広告の種類を選ぶ

動画広告に限ったことではありませんが、広告効果を出すためには目的に合った最適な広告の種類を選ぶことが重要です。商品の認知拡大が目的の場合は、ユーザーに動画内容を理解してもらいやすい「ノンスキッパブル広告」や「バンパー広告」が適しています。ユーザーの購買促進が目的の場合は、興味のありそうなユーザーにストレスなく情報を伝える「スキッパブル広告」が向いているでしょう。

広告に合う構成の動画を作る

インストリーム広告を作成するポイントは「最初の5秒」で重要なメッセージを伝えることです。第一印象で興味を持たれなければ、スキップされてしまう可能性が高くなるので、キャンペーン情報や割引などのお得な情報を先に伝えるようにしましょう。YouTubeが推奨する動画の長さは12秒〜3分となっていますが、長すぎる動画は見てもらえない傾向があるので15~30秒までの長さにしましょう。

検証しながら改善を図る

動画広告を配信して終わりではなく、目的を達成できているか検証しましょう。再生回数、視聴完了率、クリック数など、動画広告ごとにABテストを行います。どの広告が最も効果的なのかを確かめつつ、定期的にクリエイティブを改善していくことが成果につながっていきます。

まとめ

インストリーム広告は、短時間で多くのユーザーの認知獲得につながる動画広告です。より効果的に活用するためには、目的に合わせた広告種類の選定、動画広告に最適化されたクリエイティブの準備、数値分析による効果検証と改善の繰り返しが重要になります。 効果を発揮するためのポイントをおさえながら、積極的に活用していきましょう。


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