デジタルマーケティングコラム
X-Tech(クロステック)って何?特徴と具体例を紹介
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最近は、さまざまなメディアでFinTechやAgriTech、EdTechなどの言葉を耳にする機会が増えています。こうした「~Tech(~テック)」という言葉を総称して、X-Tech(クロステック)と呼びます。X-Techは、既存の産業とテクノロジーが融合し生まれた製品やサービスです。これまでアナログで行われていたビジネスにIoTやAI、ビッグデータなどを組み合わせることで、生産性向上やコスト削減といった数多くのメリットが生まれます。本記事では、X-Techの特徴や種類、具体的な事例を徹底解説します。
X-Tech(クロステック)とは?
ここでは、まずX-Techの特徴や注目を集める背景について詳しく解説します。X-Tech(クロステック)の特徴
X-Tech(クロステック)とは、既存の産業にIoTやAI、ビッグデータといった先端テクノロジーを組み合わせて開発された新たな製品やサービス、またはその取り組みのことです。X-Techによって新しく生み出されたビジネスは、一般的に「~Tech(~テック)」という名称で呼ばれます。例えば、金融とテクノロジーを組み合わせたFinTechや、農業分野におけるAgriTech、教育分野ではEdTechなどがあり、今では20種類以上の産業分野でX-Techが活用されています。
X-Tech(クロステック)が広がる背景
近年になってX-Techの注目度が高まっているのは、次のような背景があるためです。・技術の進歩に伴い、インターネット領域だけで完結するビジネスが増えた
・スマートフォンやタブレットの普及により、企業が顧客データを集めやすくなった
・IT製品の低価格化で企業の導入が加速している
このように、企業においても消費者においても、インターネットやITがより身近な存在となったことが、X-Techの普及が進んでいる大きな理由です。
多様なX-Techの具体例
現在、さまざまな分野で活用が進んでいるX-Tech。ここでは、5つの産業分野ごとに代表的な事例やモデルケースを紹介します。FinTechの具体例:国際送金の課題を解消(SBIレミット)
FinTech(フィンテック)では、金融とテクノロジーを融合させることで、すでにキャッシュレス決済サービスや送金・割り勘アプリ、クラウドファンディングといった数多くの新規サービスや製品を生み出しています。例えば、SBIホールディングス傘下のSBIレミットは、国際送金サービスを完全オンライン化させたことで、煩雑な手続きと高額な手数料という従来の課題解決に成功しました。同社の送金サービスを使えば、10分の1の手数料で、1営業日以内に12ヶ国もの国に送金が可能です。
AgriTechの具体例:農場のあらゆるデータを可視化(みどりモニタ)
AgriTech(アグリテック)は、テクノロジーを駆使して農業を活性化しようとする取り組みです。農作業は種まきや植え付け、収穫など多数の工程が必要ですが、農作業ロボットやドローン、IoTなどを活用することで、より効率的な農業経営が可能になります。セラクが提供する「みどりモニタ」は、農場の環境を自動的に計測・記録し、そのデータを遠距離からでも確認できるモニタリングシステムです。ビニールハウス内に専用のセンサーを設置するだけで、農産物の育成状況をデータとして把握できるほか、クラウド上に蓄積したデータを栽培に役立てられます。
EdTechの具体例:手軽にオンライン受講が可能(スタディサプリ)
EdTech(エドテック)は、テクノロジーを用いて、教育分野にイノベーションを起こすビジネスやサービス全般を指します。例えば、タブレットを使った授業の展開や、学習管理システム(LMS)の活用などがEdTechにあたります。リクルートマーケティングパートナーズが提供するオンライン学習アプリ「スタディサプリ」は、数あるEdTechサービスの一つです。スマートフォンやタブレットから問題を解いたり、講義の動画を見たりできるため、現在では全国の教育機関や自治体で広く展開されています。
HRTechの具体例:LINEを駆使して採用活動を効率化(MOCHICA)
HRTechは、人事や人材の分野にテクノロジーを組み合わせる取り組みです。最近では、勤怠管理システムや採用管理システム、タレントマネジメントシステムなど多様なサービスが登場しています。その中でも「MOCHICA(モチカ)」は、中途人材紹介事業を展開するネオキャリアが提供する採用管理システムです。LINEと連携して求職者や応募者と連絡がとれるため、メールや電話がつながらないという課題を解消できます。
AdTechの具体例:広告運用の最適化をサポート(サイバーエージェント)
AdTech(アドテック)とは、インターネット広告にかかわる技術全般を指す言葉です。これまではマスメディアを中心とした広告市場が拡大していましたが、インターネットの普及により、主戦場がリアルからWebへと移り変わりつつあります。サイバーエージェントは、400人以上のクリエイターが在籍する広告制作事業を展開しています。AIによる成果予測に力を入れているほか、広告の効果を一目で確認できる「CA Dashboard」というツールの提供中です。
PetTechの具体例:外出時のペット見守りカメラ(Furbo)
Pettech(ペットテック)とは、ペット分野に対してITやAIなどのテクノロジーを組み合わせる取り組みです。新型コロナウィルスの影響で家にいる時間が多くなった事や、健康医療などの技術進歩もあり、ペット市場全体で需要の増加が見られています。Tomofunが提供している、「Furbo」という留守時の見守りカメラは外出先からでも自宅のペットの様子を確認する事や、画面越しにコミュニケーションをとることが可能です。
詳しい内容は以下記事をご覧ください。
・ペットテックとは?【前編】デジタルの力で急成長するペット市場を解説!
・ペットテックとは?【後編】活用事例と市場の将来性を解説!
まとめ
FinTechやAgriTech、EdTechなど、近年はさまざまな場所でX-Techから派生したサービスやビジネスを目にするようになりました。既存のビジネスがテクノロジーと融合すると、生産性向上やコスト削減など多くの恩恵をもたらしてくれます。まだ発展途上にある分野が多いものの、テクノロジーのさらなる進歩により、今後はますます便利で快適なサービスや製品が増えていくことでしょう。X-Techの波に乗り遅れないよう、市場が成長期にある今のうちに準備を進めておきたいところです。