デジタルマーケティングコラム
Webマーケティングとは?おさえておきたい基礎知識と手法
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アイリスプランナー代表取締役
外資系ブランドで27年のマーケティングの経験からマーケティング専門の経営コンサルタントとして、
クリニックや起業家250社以上の経営戦略・マーケティング支援・オンラインビジネス化をサポート
サービス業を中心にWebサイトに加えてInstagramやLine公式などSNSを販促に活用しようとする企業が増えています。経験のないまま、Web担当に指名され、何から始めていいかわからないという方も多いでしょう。今回は、Webマーケティング初心者のために、Webマーケティングの基礎知識やスキル、成果を出すための手法やお役立ちサイトなどをご紹介します。
奥野 美代子
Webマーケティングとは
Webマーケティングとは、WebサイトやSNSなどインターネット上の媒体を使って行うマーケティング活動のことです。従来の広告・チラシ配布などの集客活動から来店客への販売・決済まですべてをインターネット上で行います。
Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い
「マーケティング」とは、顧客から欲しいと言われる「売れる仕組み」をつくることです。集客から購買に至るその一連の流れを指します。Webマーケティングとは、ホームページやSNS、オンラインショップなどWEBサイト上で行うマーケティング活動です。
それに対し、デジタルマーケティングは、デジタル技術を活用したマーケティングを指します。
デジタルマーケティングはVRやAIなどのデジタル技術やPOSなどのデジタルデータを活用したマーケティング全般を意味し、Webマーケティングも含まれます。
Webマーケティングの重要性
スマートフォンやSNSの普及でWebサービスは幅広い世代に利用され、今後の市場拡大はさらに加速していくことが見込めます。この章では、Webマーケティングの重要性について紹介していきます。
集客方法の変化
Webサービスを利用する環境は変化しています。自宅やオフィスでもパソコンを使わずスマートフォンでSNSを見たりショッピングしたりする人が増え、スマートフォンのWebサービス機能が進化しています。
また、コロナ禍による影響でテレワークやおうち時間が増加し、従来は対面や現地でなければできなかったサービスもWebで提供されています。
Webサービスの多様化に合わせて顧客層の細分化も進んでいます。Webサービスの環境変化と細分化された顧客にアプローチするための集客方法も多様化し、Webマーケティングの専門的な知識が求められます。
低コストで開始でき、発信力も大きい
Webマーケティングにはいくつか特徴があります。マーケティングの目的とターゲットによりWebメディアを選び、細かくターゲットを設定できるので、特定のターゲットに対して大きな発信力を発揮できます。
さらに、低コストでマーケティングを始めることができ、実行から改善まで時間がかかりません。小さくスタートしてテストをしながら効果測定し改善できます。
Web上のマーケティング履歴が数値で把握できるので、効果測定がしやすく、PDCAを回しやすいこともWebマーケティングの特徴です。
外部の専門家を使わなくても社内運用も可能ですが、ムダなくムラなく効果をあげるには、Webマーケティングの基本的な専門知識が必要です。
Webマーケティングを実施する5つのステップ
Webマーケティングで効果を上げるための5つのステップを紹介します。1.マーケティング戦略を決める
最初に、Webマーケティングに取り組む目的を決めてマーケティング戦略を立てます。現状を分析して、自社の強み、顧客の悩み、競合との差別化のポイントを明確にします。2.ゴール設定をする
いつまでに何をどのようにするか、Webマーケティングで達成したい目標を決めてください。※ゴール目標を決めないと分析も改善もできません。3.Webマーケティングの施策を決め、価値提供する
アプローチするターゲットと目標が確定したら、理想の顧客にアプローチするための施策をきめ、決めたメディアで価値ある情報発信をします。4.集客し、行動を促す
Webマーケティングの目的は、顧客行動を促すことです。メルマガ登録やフロントセミナー参加など小さな行動を積み重ねます。5.データ分析し、効果検証
Webマーケティングの施策では、データ収集と分析が不可欠です。データをもとに効果検証し、改善を続けます。Webマーケティングの手法とよく使われるツール
多様化するWebマーケティングの代表的な手法とよく使われるツールについて解説します。SNS
SNSとは、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略です。インターネット上に個人の交流の場を提供しているFacebook、Twitter、Instagram、TikTokなどの会員制サービスの総称です。
SNSの特徴は、会員同士がスマートフォンやパソコンで情報の「発信・共有・拡散」を行い、同じ価値観を持つ利用者間で密接なコミュニケーションができることです。
Web広告
Web広告は、Webメディアを使った広告のことで、課金タイプにより数種類あります。広告がクリックされた時だけ課金されるリスティング広告やユーザーが購買などの行動を起こした時だけ課金されるアフィリエイト広告、複数のWebサイトにまとめて広告配信するアドネットワーク広告などです。
Web広告の特徴は、広告を見てほしいターゲットを絞り、出稿範囲と期間を決めて出すことができ、数字で効果測定できることです。
出稿中でも効果を見て改善しながら運用できます。
SEO
SEO(検索エンジン最適化)は、GoogleやYahoo!などで検索された時に自社サイトが上位表示されるように、よいコンテンツを掲載してアクセスを増やし、購入やお問い合わせを増やす集客方法です。広告費を払って上位掲載を図るリスティング広告と違い、費用はかかりません。
しかし、GoogleのAIが読者に役に立つ良質なコンテンツと判断されるように、良質な情報を提供し続ける必要があります。
自社サイトのアクセス状況を分析するには、Googleアナリティクスが便利です。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、SNSや自社サイトでターゲットの顧客層に有益なコンテンツを発信し続けることで継続的に信頼を獲得し、最終的に商品やサービスの購買を促す集客方法です。ファン化することでリピーターとなり、継続購入する顧客を育てる効果があります。メールマーケティング
登録者に一方的にメールマガジンを配信するだけでなく、登録者の段階に合わせて内容や配信時期を変えて、メールを配信するマーケティング手法です。例えば、メールを開封した人としていない人で違うリマインドメールを送り、開封率を高めてその後の行動を促したりします。
CRM
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客との関係性向上に顧客データを活用することを指します。顧客の氏名、会社、役職、部署、家族関係、趣味など、あらゆる顧客データを時系列で一元化し、顧客データベース化することで、商品購入後一定期間経過した購入客だけに新サービスをご案内するなど、適切なタイミングで案内をすることができるようになります。
ウェビナー
ウェビナーは、Webとセミナーを組み合わせた造語で、一般用語ではオンライン上で行うセミナーのことです。一対多のZoomセミナーと違い、ウェビナーでは、主催者(ホスト)と参加者(パネリスト)、視聴者を区別します。
ホストの主催者とパネリストは、画面や音声でのやりとりができますが、視聴者は画面を見るだけです。
ホストの指示したタイミングで質疑応答や投票、アンケートに参加できます。
Webマーケティングを学ぶ方法
今後ますます需要が高まるWebマーケティングを学ぶ方法について解説します。Googleデジタルワークショップ
Googleデジタルワークショップとは、Googleが提供する無料のeラーニングサービスのこと。デジタルマーケティング、キャリアアップ、データの3つのコースがあります。認定証取得コースの「デジタルマーケティングの基礎」は40時間でWebサイトの分析や改善、SEO対策、広告や実店舗での活かし方まで実践的な内容を学ぶことができます。
参照:Google「Googleデジタルワークショップ」
https://learndigital.withgoogle.com/digitalworkshop-jp/
資格取得
Webマーケティングの仕事に就くための専門の資格はありませんが、体系的に学ぶには関連する資格取得を目指してください。おすすめの資格は、「ウェブ解析士」です。
Webマーケティングに必要なスキルと専門知識を認定する資格となっており、アクセス解析を軸としたウェブ解析スキルを身につけ、データを読み取り、正しい判断ができるスキルを得ることができます。
参照:一般社団法人ウェブ解析士協会
https://www.waca.associates/jp/
書籍
webマーケティング初心者のためにおすすめの書籍をご紹介します。『沈黙のWebマーケティング—Webマーケッター ボーンの逆襲—アップデート・エディション』(松尾茂起 著)
エムディエヌコーポレーション(2020年9月発刊)
対話形式のストーリーと解説で構成され、Webマーケティングの知識がなくても読みやすく基礎知識を学べる実用入門書として人気の書籍の改訂版です。
4月にご紹介のおすすめ書籍も参考にしてください。
【初級者向け】考え方や手法について分かるおすすめ書籍
https://www.cross-m.co.jp/column/digital_marketing/dmc20220426/
まとめ
Webサービスの市場拡大に合わせて、多様なツールが開発され、その機能も日々進化しています。Web担当初心者としてさまざまな情報に振り回されることなく、まずはWebマーケティングの基本5Stepsに取り組みましょう。その上で、ターゲット客に合わせた施策を2、3決め、競合や業界他社がどのように使っているのかをリサーチすることをお勧めします。
実際に顧客として、SNSやWeb広告から販売までの流れを体験するとより理解が深まります。