デジタルマーケティングコラム

マーケティング5.0って何?【後編】マーケティング1.0から4.0をおさらい

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前回のコラムでは、マーケティング5.0が生まれた背景や活用方法からマーケティング5.0とは何かについて見ていきました。今回は、過去のマーケティング1.0〜4.0の歴史を振り返り、これまでのマーケティング戦略のおさらいをしていきたいと思います。

マーケティング1.0~4.0のおさらい

マーケティング5.0という新しい概念を押さえておくことも重要ですが、これまでの考え方であるマーケティング1.0~4.0について理解を深めておくことも大切です。マーケティング戦略の歴史を押さえておくと、これから先のビジネス環境を予測するうえで大いに役立ちます。

マーケティング1.0~5.0の考え方を、それぞれ一言でまとめると以下のようになります。

・マーケティング1.0:製品の販売が中心となるマーケティング活動
・マーケティング2.0:主に顧客を満足させることに主眼を置いたマーケティング活動
・マーケティング3.0:社会や環境までをも踏まえた人間中心のマーケティング活動
・マーケティング4.0:デジタルマーケティングへの移行
・マーケティング5.0:デジタルワールドにおけるマーケティング活動

ここからは、マーケティング戦略の歴史について詳しく解説します。

マーケティング1.0

マーケティング1.0は、1950〜1960年代の大量生産時代に生まれたマーケティング戦略の考え方です。当時は戦後復興で世界的に景気が拡大しており、商品を大量に生産し大量に消費する時代であったことから、「いかに商品を安く作り、利益を最大化させるか」という点が焦点になっていました。

この時期に生まれたマーケティングの手法が、4Pと呼ばれるフレームワークです。4Pは「Product・Price・Place・Promotion」の4つの要素で構成されており、商品や価格などのどこが強みで、どこに課題があるのかを分析するために活用されます。

この時代は需要が供給よりも多かったため、4Pのなかでも特に商品と価格が重要視されていました。つまり大量生産によってコストを最小化したうえで、テレビCMを大量投下して利益向上に成功することを祈るような手法が一般的だったということです。この手法をスプレー・アンド・プレイ戦略と呼びます。

マーケティング2.0

1970年に入ると物不足の環境が緩和され始め、今度は市場全体の価格競争が激化、技術進化により商品のコモディティ化が進みました。そのため、企業は「大量生産して安売り」という考え方から、「買い手が今何を求めているか」という買い手中心のマーケティング2.0へと戦略を変更し始めています。

そこでSTP分析という新たなフレームワークが誕生しました。STP分析は「セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング」の頭文字から成り立っており、市場を細分化したうえで狙うべき市場を決め、自社の立ち位置を明確にして優位性を確保します。

企業視点から顧客視点にマーケティング戦略がシフトする中、多くの企業はこのSTP分析を活用して顧客ニーズをつかみ、ビジネスの最適化を図ろうとしました。


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マーケティング3.0

マーケティング3.0は1990〜2000年代に誕生したマーケティング戦略の考え方です。

この時期はマーケティング2.0の時代よりもさらに競争が激化し、インターネットが普及することで消費者の価値観や行動様式が変化し始めたタイミングです。また、国際化の進展により地球温暖化や人種差別などの社会問題が表面化し、CSR(企業の社会的責任)の重要性が高まりました。

つまり企業にとっては、これまで主眼を置いてきた顧客視点をさらに発展させ、社会や環境までをも踏まえた人間中心のマーケティング活動に転じていく必要性が生まれたということです。その対応策のため、企業を「ポジショニング・ブランド・差別化」という3つの側面から評価する3iモデルというフレームワークが登場しました。

マーケティング4.0

2010年以降になるとインターネットやSNSが社会に広く浸透し、消費者の価値観や消費活動が大きく変化しました。今まで情報発信は、企業主導で行ってきましたが、SNSやブログを利用することで消費者自身でも行えるようになったことから、認知から購入までの購買プロセス以外にアフターサービスまで考慮する必要が出てきました。

マーケティング4.0の時代になり、従来のマーケティング・アプローチとデジタルを活用したマーケティング・アプローチをうまく結びつけながら顧客エンゲージメントを向上させる重要性が高まったということです。

そこで新たな購買プロセスに対応できるよう、5a理論という「認知・訴求・調査・行動・奨励」の5つのプロセスでマーケティング戦略を組み立てるフレームワークが登場しました。これとよく似たAISAS(認知・興味・検索・行動・情報共有)という購買行動モデルが注目されたのもマーケティング4.0の時代にあたります。


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まとめ

最近はテクノロジーの進展が一気に加速し、AIやロボティクス、センサー、ビッグデータといった世の中を豊かにする環境が整いつつあります。こうした最新テクノロジーは社会を豊かにするだけではなく、企業の成長をもサポートするものなので、うまく活用しマーケティング5.0の波に乗り遅れないようにしたいものです。

過去のマーケティング戦略の時代変遷を見ると、マーケティング1.0〜5.0までそれぞれ10年単位で大きな変革が起きていることが分かります。各時代におけるマーケティング戦略の考え方を理解した上で、現代にフィットする施策を考えていきましょう。


【参考URL】
https://makefri.jp/marketing/5914/
https://note.com/michinaru/n/nbab6e890a275
https://seminars.jp/media/251

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