データマーケティングコラム

Webを効果的に利用した「O2Oマーケティング」の成功事例5選

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近年、電子商取引の分野でO2Oの活用事例が拡大しています。実店舗がある企業は店舗への集客や売上のため、オンラインとオフラインを融合させたO2Oをいかにうまくマーケティングへ活用していくかが鍵となっています。

そもそもO2Oマーケティングとは?

O2OとはOnline to Offlineの略記で、オンラインからオフラインへの誘導、その逆のオフラインからオンラインへの誘導も含めた消費行動を指します。そして、この誘導方法を活用して商品やサービスの購入につなげる手法のことを、O2Oマーケティングと言います。

昔はいかにして客を店舗に呼び込んで商品を購入させるかが重要で、そのために新聞広告や折り込みちらし、テレビCMが利用されました。2000年前後からはネット時代の到来によって、そうした媒体はニーズや効果が小さくなり、インターネット広告へシフトする企業が増加していきます。しかし、顧客は実店舗へ実物を確認しには行っても、商品の情報や購入はネット上で行う消費行動が多くなっていきます。

そこで2010年前後から注目を浴びたのが、オンライン情報を見た客が実店舗に来て店頭で商品を購入するような動機付けをするO2Oです。店舗はネット上でクーポンなどをプレゼントし、客はお店でクーポンを見せることで格安商品を購入できたり、定価よりお得な価格で食事などができたりする仕組みです。このように、昔ながらのオフライン商売と、近年のオンライン商売をドッキングさせた新手法がO2Oマーケティングで、GPSやSNSなどを生かした多くの事例があります。また、店舗に来た客にその場でデジタルのポイントや割引クーポンを付与し、後でオンラインでの買い物ができるという逆の流れも生まれています。

つまり、店舗など現場でしか使えないお得な権利をオンライン上で提供することと、お店で得られるお得な権利をオンライン上でいつでも使えるという双方向性を実現することで、来店動機を強めることができるというメリットを生んでいるのです。


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O2Oマーケティングの成功事例

成功事例1:クーポンの配布

スマートフォンアプリやWebサイトでクーポンを配布する手法で集客に成功した事例として、ファミリーレストランのガストがあります。アプリで会員限定クーポンを配信し、顧客を店に誘導しています。会員限定クーポンによる顧客の囲い込み戦略です。モスバーガーも、普通のクーポンだけではなくおみくじクーポンなど、ひと工夫した楽しめるクーポン戦術を導入し、ファッション大手のユニクロは専用アプリでクーポンを付与し、アプリ利用者は店頭でクーポンを提示することで割引価格商品を購入できる仕組みを作りました。これらは、アプリというオンラインでのクーポンサービスが、実際の店舗というオフラインへ誘導する推進力になっている好例です。

成功事例2:SNSによる情報発信

SNSを活用した成功例も増えています。100円ショップのダイソーは、商品が低価格なのでクーポンの配布はしていません。その代わりLINE@を導入し、商品情報をきめ細かく発信することで登録客の店舗誘導効果を狙いました。毎月新商品が多いため画像と商品の使用法まで含めた商品情報を丁寧に発信し、オンラインでコアな顧客とのコミュニケーションの形成を進め、来店促進を実現しています。
Twitterを活用した成功例としては、ロイヤリティマーケティング社の共通ポイントサービスPontaのハッシュドポンタを採用したケンタッキーフライドチキンがあります。ケンタッキーフライドチキンの公式アカウントをフォローし、ハッシュタグを付けて条件内容をツイートするだけでPontaポイントを付与したり、抽選で食べ放題をプレゼントしたりするなどの企画を実施した結果、キャンペーン期間中に新規客が増えたという成果がありました。

成功事例3:位置情報を活用したポイント付与キャンペーン

楽天チェックなど、GPS内蔵スマートフォンやWi-Fiの普及に伴い位置情報システムを活用した事例もあります。顧客は店内の指定エリアでボタンをタップすれば買い物をしなくてもポイントがもらえ、企業側は広告経費をかけずに店舗への誘導効果を得られるわけです。コンビニやドラッグストアなど生活に身近な店舗が指定エリアとなっていて、貯めたポイントは楽天に加盟しているネット通販サイトで利用できるといったように、オンライン・オフラインともに活用の幅が広いのがポイントです。
ファーストリテイリンググループのブランドであるGUも、スマートフォンの位置情報機能と連動させて、顧客の近くにある店舗のセール情報をプッシュ通知することによって顧客を店舗に誘導する仕組みを採用しています。

成功事例4:お客様とダイレクトにつながるSNSの活用

近年、飲食店やスーパーで「LINE始めました」といったQRコード付きのポスターの掲示を見たことがある人もいるでしょう。このようなQRコードやバーコードを活用する事例も増えてきました。オフライン状態にある来店客を、自社アカウントのLINEやFacebookといったオンラインに誘導することで、お得商品の紹介やサービス情報を提供し、再来店を促すなど、購買者との長期的なコミュニケーション形成に結び付ける戦略です。
下着を主力商品にしているピーチ・ジョン社は、来店客のQRコードがプリントされたチラシを配布し、そこからLINE@へと誘導しています。また、自社通販サイトにある会員QRコードを実店舗で提示すると会員割引が受けられるようにして、顧客に実店舗も利用してもらえるようにしています。


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成功事例5:webで商品を取り寄せて、実店舗への誘導

オンライン書店hontoと提携しているジュンク堂書店は、Web上で在庫確認をおこない、注文者の最寄りの書店に本を取り置きすることで、顧客を書店に誘導する仕組みを作っています。書店に足を運んだ客は注文品を受け取るだけでなく、ついでに書棚を見て別の商品を購入する顧客により売り上げの獲得につながっています。また、会計時にhontoカードを提示すればポイントがつき、オンライン書店hontoで電子書籍を購入するときやポイントが使用可能な実店舗で本を購入するときに使用できるため、顧客にとってもオンライン・オフラインともにメリットがあります。

まとめ

スマートフォンの普及、GPSや決済方式の多様化などで、O2Oマーケティングの中でもさまざまな手法が生まれています。経済産業省の2016年度の電子商取引に関する市場調査によると、国内の消費者向け電子商取引、つまりB to CのECの市場規模は前年比9.9%増の15兆1,000億円にまで拡大しました。しかしEC化率でみるとまだ5.43%です。O2Oマーケティングはビジネス領域をまだ拡大する余地があるため、今後の技術開発と、それを生かした顧客をリアル店舗とオンライン店舗の両方に結び付ける融合戦略が重要視されます。

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