データマーケティングコラム

手軽に顧客分析ができる?デシル分析のメリットと実践方法とは

Facebook X
デシル分析は顧客データを一定の売上額ごとに10等分し、効率よく施策を打ち出していけるようになる分析手法です。マーケティングにおいてはよく話題にあがる手法ですが、そのメリットや実践方法については、よくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。そのような方に向けて、今回はデシル分析のメリットや実践方法についてお伝えしていきます。

デシル分析についておさらい

デシル分析とは、顧客の購入金額を高い順に10等分し、各セグメントの構成比を算出できる分析方法です。ラテン語に訳すとデシルは10等分の意味です。顧客を購買データごとに分類して10のグループに分けることで、優良顧客層を明確にできるのです。さらにグループごとに合う施策を検討し、効率の良いマーケティングを実施していくことができます。

デシル分析のメリット

デシル分析の最大のメリットは、シンプルで簡単に分析できるという点です。指標が1つであるため、特殊なBIツールなどを用いなくても簡単に分析できます。デシル分析の基本は、購入金額が一番高いグループに多くの予算を割くという施策です。パーソナライズされたクーポン配信、メルマガ配信などで関係性をより強固に保って離脱を防ぎ、アップセルやクロスセルで売上拡大を狙います。顧客全体の底上げをしたい場合は、購入金額が下位の複数グループを狙っていきます。

デシル分析のデメリット

デシル分析は、細かい分析には向いていません。顧客が商品を購入する際には、さまざまな要素から購入を決定します。その意思決定のプロセスは単純ではありません。購入から数年経過している高額商品購入者が上位デシルに入る場合もあります。デシル分析はこうした詳細な状況分析には不向きです。


20220610_02

デシル分析の実践方法

デシル分析は、次の手順で実践します。

(1)顧客ごとの購入金額データを算出し、10のグループに分ける
(2)顧客データを購入金額データ順に並べ替えて一定範囲の金額ごとに10等分し、上から順に「デシル1」「デシル2」…「デシル10」と名前をつけていく
(3)各デシルにおいて売上構成比や購入比率を算出する

売上構成比が高いデシルはリピート購入に繋がりやすいと考えられるため、クーポンや金額が高い商品の紹介などを実施していきます。一方、売上構成比が低いデシルにアプローチするなら、低価格の商品を紹介することで安さやお得さの訴求をするとよいでしょう。

具体的にExcelを使用してデシル分析を実施する場合、必要になるのは以下4点の情報です。
・商品の注文を識別できる注文番号
・顧客を識別できる顧客ID
・購買日
・購買金額
このデータに対してデシル分析を実施することで、購買金額や売上構成比などの各種データをまとめられます。


20220610_03

デシル分析と似た分析手法

以下の3点の分析手法はデシル分析と似ている点を持ちます。それぞれ手法の内容をみていきましょう。

RFM分析

RFM分析は、最新の購入日時・購買頻度・購入金額の3つの指標で、顧客をグループに分ける手法です。優良顧客・新規顧客・安定顧客・離反顧客・非優良顧客といった顧客に関する属性を把握できます。RFM分析を実施することで、注力すべき製品・地域などが判明します。例えば、優良顧客が多く住んでいるエリアが判明すれば、新規出店も視野に入るのです。

CTB分析

CTB分析とは、Category(カテゴリ)、Taste(テイスト)、Brand(ブランド)の3つの指標で顧客を分類する手法です。顧客がどんな商品を購入するかを高い精度で予測できます。分類は、次のような内容で実施します。
・カテゴリでは、大分類・中分類・小分類などの一定のグループで分類
・テイストは、色、模様、形、風合い、サイズなどで分類
・ブランドはメーカー名やキャラクターなどで分類
上記3つの指標を基にして顧客を分類していきます。

ABC分析

ABC分析とは、売上高、販売個数、売上利益などの多くの指標の中から重要視するポイントを決めて分析していく手法です。例えば販売個数をポイントにした場合の在庫管理においては、1000個/週以上をA、1000個~100個/週をB、100個/週以下をCとします。この分析を実施すると、Aは良く売れるので頻繁に補充し、Cは状況を見て在庫を増やすといった対応が取れるのです。また、売上が高い製品やサービスを可視化し、Aの在庫数を増やし、Cの販売を見直すという方法もあります。

デシル分析のメリットや実践方法を理解して効率的な分析を

デシル分析は分析対象のデータを10のセグメントに分けて分析する手法です。手軽に分析を進められる一方、詳細なマーケティングには向かないという特徴もあります。デシル分析のメリットや実践方法を理解して効率的な分析をしていきましょう。

クロス・マーケティングでは、デシル分析のほか、RFM分析やABC分析などの手法を用いたデータ分析を支援しています。また、顧客視点での統合データ分析「ジャーニーデータ分析」やアンケートによって顧客理解を深める支援なども行っておりますので、顧客データの活用についてご興味のある方はぜひ一度クロス・マーケティングへご相談ください。


■参考サイト:
https://n-works.link/blog/marketing/decile-analysis
https://engage-mate.jp/article/know-how/decyl-analysis/
https://receiptreward.jp/solution/column/decylanalysis.html
https://www.wowcom.co.jp/blog/1454/
https://www.albert2005.co.jp/knowledge/marketing/customer_product_analysis/decyl_rfm
https://makefri.jp/work/7735/
https://www.synergy-marketing.co.jp/glossary/decyl-analysis/
https://lab.kutikomi.com/news/2021/04/06/decileanalysis/

関連コラム

マーケティングコラム
あの世代の呼び方は何?各世代へのマーケティング方法もご紹介
「団塊の世代」や「Z世代」など、生まれた世代によってさまざまな名称が付けられています。マーケティング担当者であれば、それぞれの世代の名称と特徴を把握し、世代ごとにあわせたマーケティングを実施しましょう。 本記事では、それぞれの世代の呼び方について説明し、各世代に合ったマーケティング方法を解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説
結婚して家庭をもつことが当たり前だった時代からは一変し、生涯を独身で過ごす人が増えています。なぜ未婚率が高くなっているのでしょうか。今回は、未婚の割合や未婚の人が増えている理由について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
中学生のスマホ使用時間の理想はどれくらい?スマホが及ぼす影響も紹介
近年、中学生からスマホを持たせる家庭が多いなか、使用時間の長さが問題視されているケースが多く見受けられます。スマホの使用時間が長いと学力に影響するといわれることもあり、子どもを持つ親からすると、「適切な使用時間の範囲で使わせたい」と考える方もいるようです。 今回は、中学生がスマホを使う時間の理想をはじめ、使用時間が長いとどのような影響を及ぼすのかを解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
犬派か猫派か?どちらが人気?性格や相性を徹底解剖!
ペットを飼っている人や、これから飼いたいと考えている人にとって気になるのが「犬と猫はどちらが人気なのか?」という点ではないでしょうか。また、犬派と猫派それぞれの性格や相性などについて気になる人も多いかと思います。本記事では、犬派と猫派どちらが多いのか、また性格や相性はどうかを徹底解剖します。弊社で行ったアンケート結果もふまえて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
α世代の次の世代とは?β世代の特徴や取り巻く環境を予測しよう
今注目されているZ世代の次がα世代と呼ばれており、さらにその次がβ世代にあたります。Z世代以降は、デジタルネイティブであることが特徴ですが、マーケティング担当者や商品の開発担当者であれば、β世代とはどのような世代なのか、今と取り巻く環境がどのように変化しているのか気になるのではないでしょうか。今回は、β世代の特徴やβ世代を取り巻く環境について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
推し活の経済効果はどれくらい?市場規模と推し活マーケティングのメリットとは
若年層に適確なアプローチができないなど、従来のマーケティング手法に限界を感じてはいませんか。商品やサービスのターゲットとして、「推し活に力を入れる消費者」に絞る方法もあります。 推し活とは、推し(お気に入りのキャラやアイドルなど)を応援する活動のことです。今回は、推し活の経済効果や企業が推し活マーケティングに力を入れるメリットについて紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
団塊の世代はいついなくなる?高齢化で生じる問題と対策を紹介
団塊の世代は、全人口に占める割合の大きさから、社会に多大なる影響を与えてきました。高齢化の話題に接して、団塊の世代の存在感に驚いた方もいるのではないでしょうか。今回は、団塊の世代の高齢化問題と企業の対策について紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
【TikTok】バズる時間帯はいつ?曜日ごとのバズりやすさとあわせて解説
TikTokは短期間で多くのユーザーにリーチできるプラットフォームです。しかし、効果的な運用には、適切な投稿時間を見極めなければなりません。社内でTikTokの運用を開始する際に、まず押さえておくべきなのが「バズりやすい時間帯と曜日」です。今回は、TikTokでバズるために最適な投稿時間や曜日について詳しく解説し、投稿時に押さえておくべきポイントについても紹介します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
SNSのエンゲージメントとは?SNS別の確認方法や向上施策も紹介
最近では中小企業でも、流入チャネルを増やすためにSNS活用を始めるところが増えてきました。SNSの運用を成功させるためには、できるだけ多くのエンゲージメント(リアクション)を得ることが重要です。今回は、SNSにおけるエンゲージメントについて、確認方法や向上させるための施策を解説します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
ご相談・お見積もり依頼
【法人・個人様】
フリーダイヤルでのお問い合わせ
0120-198-022
※ モニター様からのお電話でのお問い合わせは受け付けておりません。
資料ダウンロード