データマーケティングコラム

RFM分析のメリットと実施方法とは?考慮すべき点も解説

Facebook X
RFM分析は、顧客の属性を細かく分けて分析することによって効率的にマーケティングを企画・実行していける分析手法です。RFM分析は多くの企業でマーケティング効率化のために取り入れられていますが、自社で取り入れたくてもメリットや実施方法がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。そんな方々に向けて、今回はRFM分析のメリットや分析の実施方法、分析にあたって考慮すべき点についてお伝えしていきます。

RFM分析についておさらい

RFM分析は下記3つの指標を用いて顧客をグループ分けする分析手法です。RFMは3つの指標の頭文字をとった言葉です。

【Recency(直近購入日)】商品の最終購入日からの経過期間
【Frequency(購入頻度)】購入頻度の高低
【Monetary(購入金額)】購買金額の総額

顧客1人ひとりにあわせた効率的なマーケティングを実施することが目的で、LTV(Life Time Value:顧客単体が生涯でもたらす収益の総額)の最大化を目指します。
RFM分析の実施にあたっては、商品特性に合わせた期間のデータを収集し、RFMを一定の間隔でグループ分けしてデータを分類したうえで分析を進めていきます。


20210910_02

RFM分析のメリットはマーケティングの効率化

RFM分析を実施すると、対象グループの顧客にマッチしたマーケティングができるので、社内のリソースを顧客になる確率が高いグループへ使用できます。
反対に、RFMの全ての要素でポイントが低い顧客はマーケティングの対象から外す、最終購入日が一定期間前の顧客にはアンケートで理由を探るといった対策が可能です。

RFM分析で考慮すべき点は顧客の購入物と購入時期

RFM分析はマーケティングの効率化に有効ですが、決して万能ではなく、顧客の購入物と購入時期の考慮はできません。顧客の状況に合わせた提案はRFM分析だけでは不可能で、顧客の心理状態や生活状況なども合わせて分析を進める必要があります。
例えば、特定の季節でのみ購入される商品の場合、データの収集時期によって最終購買日や購買頻度に差が生まれてしまいます。別の例では、ベビー用品で第1子の誕生時に商品を気に入り、第2子の誕生時にも購入した場合は、第1子と第2子の間で購入期間が空いてしまいます。頻繁に購入されない商品へのRFM分析は避けた方がベターです。

一般的にきめ細かいマーケティングをしようとすればするほど多くのデータが必要になる傾向にありますので、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)ツールを活用してデータを収集・管理していくとよいでしょう。

RFM分析の方法とは

ここからは、具体的にRFM分析をどう実施していくのか、みていきましょう。

課題を明確にして仮説を立てる

まずは現状の把握、仮説の立案を実施します。仮説なしでデータを収集・分析しても良い結果には繋がりません。当初の目標を達成できない理由について推測することで仮説が立ち、3つの指標のうちのどこに注目すべきか考えるベースになります。
現状や仮説を考慮してRFM分析が適切かどうかも議論します。分析手法は他にも優良顧客を見つけやすいデシル分析や、顧客が購入する可能性のある商品の推測に役立つCTB分析などがありますので、各分析の特徴を把握して適切な分析手法を選択しましょう。

データを収集してRFMそれぞれの指標に沿って分類する

続いて仮説の立証に必要なデータを収集していきましょう。例えば、ターゲット設定が適切でなくリピーターが少ないことで売り上げが伸びていないと仮説を立てた場合は、RFMデータの他にも顧客の年齢、性別、職業などのデータを収集すると効果的です。
データの収集が一通り完了したらデータを分類していきます。分類の指標はRFMそれぞれの要素で5段階程度ずつ設定するのが一般的ですが、詳細は分布状況や分析目的、扱う商材などによって変わってきます。
RFMでそれぞれ5段階の指標を設定すると顧客グループは5×5×5=125のグループに分けられますので、例えば顧客AはRが3ポイント、Fが1ポイント、Mが2ポイントなどといった形で、指標の段階に応じてランク付けしていきましょう。


20210910_03


各グループの顧客を分析して施策を立案し実施する

顧客のランク付けが一通り終了したら、グループごとに仮説と比較しながら分析してマーケティング施策を企画します。
また分析が適切なように見えても、他の要因が発見されることもあるため、次項で説明するPDCAサイクルを回しながら複数回分析を実施するのが基本です。

効果を検証して改善策を考える

マーケティング施策は一度実施して終わりではなく、仮説を立て(Plan)、マーケティング施策を企画・実行し(Do)、その効果をチェック(Check)して、改善(Action)するというPDCAサイクルを回していきます。
データは日々更新されるため、適宜施策の方針修正などが必要です。先述したCRMツールを使ってデータを蓄積しておき、順次マーケティングに活用していきましょう。

継続的なマーケティング活動に適した分析を行う

RFM分析とは、顧客の属性をRecency(直近購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の3つの要素に分けてグルーピングし分析する手法で、マーケティングの無駄を省き、効果が出やすくなるメリットがあります。反面、購買物の考慮や購買時期の関連付けなどはRFM分析では考慮できない内容のため注意が必要です。
クロス・マーケティングでは、RFM分析で対応しきれない内容について、購買物や購買時期を考慮してデータを統合・分析する『ジャーニーデータ分析』という手法のほか、アンケートと掛け合わせた継続・離反理由の深堀りなどによる対応を行っております。顧客データの活用についてご興味のある方はクロス・マーケティングへご相談ください。


■参考サイト:
https://www.onemarketing.jp/knowledge/word/rfm
https://www.cccmk.co.jp/columns/basic31
https://jp.marketo.com/content/rfm-analysis.html
https://www.albert2005.co.jp/knowledge/marketing/customer_product_analysis/decyl_rfm
https://digimarl.com/syllabus/rfm_researching/
https://www.profuture.co.jp/mk/column/9601
https://pantograph.co.jp/blog/marketing/rfm.html
https://www.postas.co.jp/makesmiles/3670/index.html
https://kuroco.team/blog-data-rfm/
https://birdiecloud.com/apparel-lab/know-how/3179

関連コラム

マーケティングコラム
あの世代の呼び方は何?各世代へのマーケティング方法もご紹介
「団塊の世代」や「Z世代」など、生まれた世代によってさまざまな名称が付けられています。マーケティング担当者であれば、それぞれの世代の名称と特徴を把握し、世代ごとにあわせたマーケティングを実施しましょう。 本記事では、それぞれの世代の呼び方について説明し、各世代に合ったマーケティング方法を解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説
結婚して家庭をもつことが当たり前だった時代からは一変し、生涯を独身で過ごす人が増えています。なぜ未婚率が高くなっているのでしょうか。今回は、未婚の割合や未婚の人が増えている理由について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
中学生のスマホ使用時間の理想はどれくらい?スマホが及ぼす影響も紹介
近年、中学生からスマホを持たせる家庭が多いなか、使用時間の長さが問題視されているケースが多く見受けられます。スマホの使用時間が長いと学力に影響するといわれることもあり、子どもを持つ親からすると、「適切な使用時間の範囲で使わせたい」と考える方もいるようです。 今回は、中学生がスマホを使う時間の理想をはじめ、使用時間が長いとどのような影響を及ぼすのかを解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
犬派か猫派か?どちらが人気?性格や相性を徹底解剖!
ペットを飼っている人や、これから飼いたいと考えている人にとって気になるのが「犬と猫はどちらが人気なのか?」という点ではないでしょうか。また、犬派と猫派それぞれの性格や相性などについて気になる人も多いかと思います。本記事では、犬派と猫派どちらが多いのか、また性格や相性はどうかを徹底解剖します。弊社で行ったアンケート結果もふまえて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
α世代の次の世代とは?β世代の特徴や取り巻く環境を予測しよう
今注目されているZ世代の次がα世代と呼ばれており、さらにその次がβ世代にあたります。Z世代以降は、デジタルネイティブであることが特徴ですが、マーケティング担当者や商品の開発担当者であれば、β世代とはどのような世代なのか、今と取り巻く環境がどのように変化しているのか気になるのではないでしょうか。今回は、β世代の特徴やβ世代を取り巻く環境について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
推し活の経済効果はどれくらい?市場規模と推し活マーケティングのメリットとは
若年層に適確なアプローチができないなど、従来のマーケティング手法に限界を感じてはいませんか。商品やサービスのターゲットとして、「推し活に力を入れる消費者」に絞る方法もあります。 推し活とは、推し(お気に入りのキャラやアイドルなど)を応援する活動のことです。今回は、推し活の経済効果や企業が推し活マーケティングに力を入れるメリットについて紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
団塊の世代はいついなくなる?高齢化で生じる問題と対策を紹介
団塊の世代は、全人口に占める割合の大きさから、社会に多大なる影響を与えてきました。高齢化の話題に接して、団塊の世代の存在感に驚いた方もいるのではないでしょうか。今回は、団塊の世代の高齢化問題と企業の対策について紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
【TikTok】バズる時間帯はいつ?曜日ごとのバズりやすさとあわせて解説
TikTokは短期間で多くのユーザーにリーチできるプラットフォームです。しかし、効果的な運用には、適切な投稿時間を見極めなければなりません。社内でTikTokの運用を開始する際に、まず押さえておくべきなのが「バズりやすい時間帯と曜日」です。今回は、TikTokでバズるために最適な投稿時間や曜日について詳しく解説し、投稿時に押さえておくべきポイントについても紹介します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
SNSのエンゲージメントとは?SNS別の確認方法や向上施策も紹介
最近では中小企業でも、流入チャネルを増やすためにSNS活用を始めるところが増えてきました。SNSの運用を成功させるためには、できるだけ多くのエンゲージメント(リアクション)を得ることが重要です。今回は、SNSにおけるエンゲージメントについて、確認方法や向上させるための施策を解説します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
ご相談・お見積もり依頼
【法人・個人様】
フリーダイヤルでのお問い合わせ
0120-198-022
※ モニター様からのお電話でのお問い合わせは受け付けておりません。
資料ダウンロード