「ZOZOMAT」の開発における、データ収集を目的とした会場調査(CLT)
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZO様。クロス・マーケティングは、同社が2020年3月に提供を開始した足の3Dサイズを高精度に計測するマット「ZOZOMAT」の開発を、会場調査(CLT)の面でサポートいたしました。
ECサイトでのシューズ購入時の不安を解消してくれる画期的なサービス開発において、会場調査が果たした役割を、計測プラットフォーム開発本部 計測プロデュース部 データ開発ブロック・歌代壮一郎様にうかがいました。
Interview
──「ZOZOMAT」はどんな経緯で生まれたのでしょうか?
ECでは「靴を試着していただく」ことはなかなか難しく、サイズを不安に思うお客様もいらっしゃったと思います。その不安を解消し、お客様の快適で便利な靴選びを実現したいと考え、ZOZOMATの開発がスタートしました。
──従来のECサイトではできなかったことを可能にして、より快適にファッションを楽しんでいただこう、という思いから生まれたサービスなのですね。
はい。シューズは毎日のように履くものですから、自分の足のサイズに合わないシューズを履いていると、お客様の足に大きな負担がかかってしまいます。ZOZOTOWN内の靴の専門モール「ZOZOSHOES」では、ZOZOMATで計測した足の3Dサイズデータをもとに、対象シューズの各サイズに対して、サイズ感に満足できる確率を“相性度”として表示しています。これにより、お客様は靴を試着することなく、自宅で最適なサイズの靴を購入することが可能になりました。
──その開発段階で会場調査(CLT)はどのような役割を果たしたのでしょうか? また、調査をクロス・マーケティングにご依頼いただいた経緯についても教えていただけますか。
足の計測を行う「ZOZOMAT」の開発は、お客様と「相性の良いサイズのシューズ」の関係性を調査することがポイントの一つです。そのためには、会場調査を通じて、実際のユーザーに近い人たちのデータを集める必要がありました。クロス・マーケティング様には、ZOZOMATの前に開発した旧ZOZOSUITの開発時にも、会場調査の面でお世話になっていたこともあり、ZOZOMATでも引き続き会場調査をサポートいただきました。
参加者への気配りも。大量かつフラットなデータを集めるために為された工夫
──会場調査においても様々な工夫が必要だったのではないでしょうか?
旧ZOZOSUIT開発の頃から何度もやりとりをさせていただいておりましたので、今回の会場調査でも、その頃からのノウハウを引き継いで準備することができました。弊社から調査に必要な条件をお伝えし、クロス・マーケティング様に調整を進めていただく中で、非常に助かったのは、開発の目的に合った参加者の方々を集めていただいたことですね。今回の調査は、データが偏らないように、可能な限りフラットなデータを集めることが大切でした。
──様々な方に利用いただけるサービスを目指すからこそのお話ですね。
そうですね。特定の年齢や性別などに偏ることがないよう、データを集める必要がありました。
──弊社としても、(データを偏らせないために)毎回丁寧に「こういったタイプの方々のデータもいただくことは可能ですか?」とお伝えいただき大変助かりました。
調査当日に参加いただく方が不愉快な思いをされないよう、クロス・マーケティング様には会場の広さや導線など、参加者に快適に過ごしていただけるよう事前にご調整いただきました。
会場調査において、クロス・マーケティング様とは旧ZOZOSUIT開発の頃から共に試行錯誤をしてきました。そのため、今回の会場調査に関しても、事前にケアするべきポイントはある程度の共有ができていたと思いますが、それでも当日に想定外の出来事は起こりました。しかしその際も問題解決に向けて、クロス・マーケティングの現場の皆様に一緒に動いていただけました。
現場での臨機応変な対応。意図を汲み取るコミュニケーション
──お取り組みを通して、クロス・マーケティングに対する印象を教えてください。
ご担当の三島様には調査の直前まで細かく調整をしていただきましたし、当日も気にかけていただいたので、非常に助かりました。また、現場で調査をサポートしてくださるスタッフの方々も、こちらの意図を汲んでくださる方が多いと感じました。会場調査において、直前に被験者の変更があったり、想定していた条件とは異なったりした場合も、こちらの意図を汲んで可能な限り調整をしていただきました。
また、依頼内容を検討していく段階で「こういった方向性でお願いすることは可能ですか?」「こういうことはできますか?」と相談できたこともありがたかったです。
──ただ依頼をして結果を受け取る、というだけではない関係性を築くことができていましたので、こちらとしても非常に嬉しく思います。
これまでの会場調査の取り組みを通して、「クロス・マーケティング様ならここまでやってくださる」ということを我々も分かってきている部分があり、非常に進めやすく感じています。
──ZOZOMATのこれからについては、どんなことを考えていらっしゃいますか?
今後もZOZOMATを通じて、より多くの方々にZOZOSHOESでの靴選びをお楽しみいただきたいと思っています。