コンセプトこそ商品・サービスの競争力の源泉:属人的に陥りがちなコンセプトとデザインの生成支援・評価サービス「KAGAMI」をクロス・マーケティングと共同開発

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写真右から)
明治大学 博士(経営学) 商学部 専任講師 加藤 拓巳様、弊社 サーチソリューション本部 梅山、カスタマーソリューション本部 永田

製品開発の最上流に当たるコンセプトやデザインは、商品・サービスの売れ行きそのものを左右する重要な存在です。
しかし、耐久性などの客観的な性能と異なり、コンセプトやデザインは主観的・感性的な側面があります。そのため、それらの生成作業は”職人技”のようにみなされ、一部の従業員の属人性への依存、あるいはアウトソースへの依存が散見されます。企業としては、特定の人ではなく、組織として知見・能力を持たないと、再現性が保証できません。
その問題を打開するために、科学的なアプローチでのコンセプトとデザインを検討・評価するソリューション『KAGAMI』 を明治大学の加藤拓巳専任講師とクロス・マーケティングで共同研究・開発しました。

プロフィール

明治大学 加藤 拓巳様
明治大学
博士(経営学) 商学部 専任講師
加藤 拓巳様
三菱電機株式会社、本田技研工業株式会社(Honda) チーフ・アナリスト、埼玉大学 経済経営系大学院 専任講師を経て2022年より明治大学 商学部 専任講師。専門は、商品・サービスの価値づくり(マーケティング)。近年注力している研究テーマには「環境配慮と顧客価値の両立する商品・サービス開発」「先端技術を消費者価値に転換する施策」「企業の意思決定支援」がある。
株式会社クロス・マーケティング 梅山
株式会社クロス・マーケティング
取締役 リサーチソリューション本部 副本部長 エグゼクティブリサーチャー
梅山
株式会社クロス・マーケティング 永田
株式会社クロス・マーケティング
カスタマーソリューション本部 戦略ソリューション部 マネージャー
永田

プロジェクト概要

問題認識

  • 日本の高度成長期は「壊れない」が競争力の源泉の1つであった。つまり、商品・サービスの価値が明確な状態である。しかし、技術の成熟化によって多くの商品が壊れなくなった現在、耐久性は魅力ではなく当たり前の条件となった。その結果、企業は商品・サービスの存在目的であるコンセプトを模索する必要が発生し、その優劣が今日の競争力を左右している。
  • コンセプトは消費者の実用的・心理的な困りごとの解決の定義であるため、困りごとの発見が価値づくりのスタート地点である。しかし、消費者は批評家としては優れていても創造家としての訓練を受けていないため、困りごとを直接聞いても明確な答えが得られない。さらに、コンセプトを科学的に検討・評価するサービスが乏しいことから、コンセプト策定に悩む企業が多い。
  • そこで、「商品・サービスのより良いコンセプト・デザインを生み出す」科学的アプローチに基づいた標準化サービスの開発を検討。

取り組み

明治大学 商学部の加藤先生とクロス・マーケティングで、コンセプトとデザインについて検討・評価するKAGAMIを共同開発

サービスの概要

  • [Step 1:コンセプトを考える] 既存の商品・サービスの特性と、新しい仮説を網羅して、コンセプト案を生成し、各要因の効果を明らかにする
  • [Step 2:コンセプトを検証する] Step 1の結果を踏まえて策定したコンセプトの受容性を検証する
  • [Step 3:デザインを考える] 既存の商品・サービスのデザイン特性と、新しい仮説を網羅して、デザイン案を機械的に生成し、各要因の効果を明らかにする
  • [Step 4:デザインを検証する] Step 3の結果を踏まえて策定したデザインの受容性を検証する

Interview

消費者の抱える困りごとを解決する商品・サービスの価値づくり

――加藤先生の研究領域についてお聞かせください。

加藤拓巳様(以下、加藤様) 私の研究は、いずれも「商品、サービスの価値づくり」というテーマで一貫しています。
価値のある商品、サービスとは、顧客の抱える実用的・心理的な困りごとを解決に導くものです。よって、価値づくりの出発点は、消費者の困りごとの発見になります。これは、困りごとを解決するよりも難しいです。
それが商品・サービスの存在意義であるコンセプトにつながります。いかに優れた技術を持っていても、いかに時代の要請がある社会問題解決を追求したとしても、消費者の問題を解決するというコンセプトなきままでは価値になりません。
そこで私は、マーケターとしての”アート(職人技)”と研究者としての”サイエンス”を掛け合わせて、価値づくりに取り組んでいます。

梅山 加藤先生とクロス・マーケティングは長くお付き合いをさせていただいています。
加藤先生の調査は新しい試みが多く、私たちもいろいろな挑戦をしてきました。挑戦的な調査には苦労も多いのですが、初めての経験が多いぶん、新しいインサイトも生まれてくるのです。

加藤様 挑戦的な試みといえば、仮想現実(VR)による商品デザインの検証が思い出されます。
2016年は「VR元年」と呼ばれ、多くのビジネス分野への適用が検討されました。調査サービスとしても、VRによるデザイン評価を謳うものがありました。
私自身も、当時自動車メーカーに勤めており、クルマの評価にVRが使えないかを検討しました。しかし、実空間で評価した場合とVR空間で評価した場合の消費者の価値評価の違いに関する根拠が見当たりませんでした。つまり、VRで評価しても、その数字が信頼できるのかわからないまま、世で利用されていました。
そこで、消費者の価値評価にてVRを利用することの信頼性を検証する研究1をクロス・マーケティングと一緒に行いました。当時の協力関係が今も続いています。

1Kato, T. (2019). Verification of perception difference between actual space and VR space in car design. International Journal on Interactive Design and Manufacturing, 13(3), 1233–1244, Springer. https://doi.org/10.1007/s12008-019-00568-5
 

対談写真1

コンセプトを検討・検証するソリューション

――KAGAMIの開発に取り組んだ背景について教えてください。

梅山 マーケティングリサーチ、調査という業務は、クライアントからの依頼を受ける「アドホック型の受託サービス」が基本です。
アドホック型とは、課題を抱えたお客様から「次の商品に向けたコンセプトのアイディアが欲しい」「商品のデザインを3タイプ考えたが、どれが良いか?」という依頼を1つ1つ受けて、その1つ1つにカスタマイズした調査の結果をお伝えするものです。
アドホック型調査の問題点は、設計が毎回バラバラのために、知見が蓄積されないこと、標準化されないことです。この状態は、アメリカと日本のIT企業のビジネスモデルの差異としてもよく指摘されます。アメリカのIT企業は、多くの企業が抱える問題を解決する標準化サービスを企画・開発するため、世界中で高い競争力を持ち、かつ高い利益率を実現しています。一方、日本のIT企業は、クライアントごとに個別にITシステムを開発するため、市場での高い競争力を持つ標準化サービスが生まれません。

しかし、クライアント企業がやりたいことは普遍的に同じです。それは、「商品・サービスのより良いコンセプト・デザインを生み出す」ことです。どんな業界でも共通のニーズです。
よって、KAGAMIはアドホック型ではなく、クロス・マーケティングからお客様に向けてコンセプトやデザインの案、科学的アプローチに基づいた標準化サービスとして開発を始めました。

加藤様 私が自動車メーカーから大学に転職した際、まさに梅山さんと上記の調査業界の問題について話しあったことがプロジェクトのきっかけです。
多くのテーマがある中で、商品・サービスの根幹であり、日本企業の苦手分野でもあるコンセプトから着手しました。

長い間、コンセプトとデザインを考える仕事は属人的なものでした。場合によっては、外部に丸投げして完成したものを、意思決定者が自分の好みで決めてしまう例すら見られます。
しかし、商品・サービスの競争力の源泉を外部に丸投げしたり、感覚的に意思決定することは、ビジネスとして非常に不健全です。仮に成功したとしても再現性が低いですし、商品・サービスの根幹を外部に依存していては、それは自社商品・サービスと断言できるのかさえわかりません。


――コンセプトという言葉は、使う人によって意味合いが異なるように感じています。マーケティングにおけるコンセプトとは何でしょうか。

加藤様 コンセプトとは価値の定義です。誰に(Who)、何を(What)、どのように(How)というフレームワークで、消費者が高いお金を出してまで欲しがる価値を定義したものがコンセプトになります。
この中で、最も重要な要素はWhoです。ここは「20代男性」のような属性の話ではありません。価値は問題解決から生まれるので、「何に困っている人か?」を定義します。
世の中のコンセプトは、困っている人の顔が見えないまま、手段に最先端技術やビジネストレンドが並んでいるだけのものが多いです。これでは価値のつくりようがありません。


――なぜコンセプト企画の知見が乏しいのでしょうか。

加藤様 経験のある企業が少ないことが原因だと推察されます。
日本が高度成長期を成し遂げたのは、家電メーカーと自動車メーカーが大きな役割を果たしました。これらの企業が世界で高い競争力を誇ったのは、「日本製は壊れない」という価値を提供していたことが大きな理由の1つです。当時は、「せっかく買っても壊れてしまう」という実用的な問題を抱えている消費者が多かった時代です。それを解決してくれる日本企業の商品は非常に魅力がありました。
この時の商品コンセプトは「壊れない」ですから、悩む必要は少ないです。かつ、「耐久性を高める」など客観的な指標で容易に測定でき、管理も容易です。

しかし、多くの分野で技術が成熟した現在、日本製以外を買っても壊れなくなってきました。
つまり、「壊れない」が魅力品質から、当たり前品質に変化したのです。そして、物が溢れている状況下では、実用的な困りごとはどんどんなくなってきました。
よって、現在は「心地が悪い」「つまらない」「異性にカッコつけられない」などの心理的な困りごとを解決するコンセプトが求められます。その経験が乏しいことで、コンセプト企画に悩む人が多いのだと考えられます。

そこで、この悩みを抱えている企業の技術開発部・マーケティング部に対して、KAGAMIのサービスを企画しました。


――KAGAMIについて、簡単にご説明ください。

梅山 KAGAMIは、「コンセプトを考える」「コンセプトを検証する」「デザインを考える」「デザインを検証する」という4つのフェーズから構成されます。
「考える」のフェーズでは、属人的なスキルに陥らないように、コンセプト・デザインを生成する仕掛けを科学的アプローチで設計しました。「検証する」のフェーズでは、企画したコンセプト・デザインのポテンシャルを販売シェアの形式で推定します。


――KAGAMIの調査手法についてお聞かせください。

梅山 直接消費者に困りごとを聞いても、なかなか明確な回答は得られません。
なぜなら、消費者は批評家としては優秀でも、創造家としての訓練は受けていないからです。よって、商品・サービスの購入選択という態度・行動から、消費者心理を読み解くしかありません。

消費者の抱える実用的・心理的問題の優先順位を見つけるために、既存の商品・サービスのコンセプトの要素を分解し、属性・水準を定義します。そして、属性・水準をもとに、機械的にコンセプトを生成し、各要素の魅力を可視化します。この結果から、困りごとの優先順位を明確にできます2。 これが「考える」のフェーズです。

デザインにおいても同様の手順を踏むことで、各属性の効果を把握し、目指すコンセプトの具現化に向けた方針を明確にすることができます。これまで、お茶のような消費財やPCような耐久消費財に加えて、都市のような巨大なサービスでも適用してきました3-5
お茶では、ラベルレスデザインにすることで商品魅力が増すことを示しました。これは、紙ストローなどと異なり、商品価値を損なわずに、環境配慮を知覚できるためです。 PCでは、ベゼル幅を狭くすることで価値が高まる程度を定量的に提示しました。さらに、赤色にすることで、魅力が損なわれることを明らかにし、ベースである白色を極める重要さを示しました。
都市では、都市開発の象徴として利用されてきた緑(例:ニューヨークのセントラルパークやロンドンのハイドパーク)と自然(例:韓国の南山やパリのセーヌ川)の効果の違いを明らかにしました。自然災害が多発する日本においては、緑は居住意向を高めますが、自然は居住意向を低めることを確認しました。
このように、興味の対象を公平に検証することで、高い精度で目指すコンセプトの具現化方針を把握することができます。

お茶 調査結果
PC 調査結果
都市 調査結果

2Kato, T., Zhu, Y., Nagata, Y., Kubo, J., Matsue, T., Tanaka., Y., Umeyama, T., & Kamei, S. (2024). Concept development method using orthogonal arrays. Procedia Computer Science, Elsevier, 1-8. (in press)
3Kato, T., Endo, Y., Fujiwara, S., Zhu, Y., Umeyama, T., & Kamei, S. (2024). Balancing the environment and customer value: evaluation of the attractiveness of label-free plastic bottles for green tea. Asia Pacific Journal of Marketing and Logistics, 36(6), 1429-1441. Emerald Publishing. https://doi.org/10.1108/APJML-09-2023-0825
4Kato, T., Endo, Y., Fujiwara, S., Zhu, Y., Umeyama, T., & Kamei, S. (2024). Product attractiveness created by thin-bezels in personal computers. Proceedings of the 10th International Symposium on Affective Science and Engineering, 1-4. https://doi.org/10.5057/isase.2024-C000002
5加藤拓巳・池田亮介・小泉昌紀・藤原早優・遠藤裕子・亀井晋. (2024). 都市の象徴的存在である緑と自然が居住意向に与える影響の比較 ― 日本の政令指定都市住民を対象とした観察・実験の両面からの研究 ―. 日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス. https://www.j-mac.or.jp/oral/dtl.php?os_id=472


「検証する」のフェーズでは、企画したコンセプト・デザインの魅力を高い精度で検証するために、「誰に聞くか?/何を見せるか?/どう見せるか?/何を聞くか?」の知見を標準化サービスとしてまとめた調査・検証を行います。


加藤様 例えば、コンセプトテストは開発初期段階で検証するため、一定の想像力を有する回答者であることが必要です。また、価値の判断基準が「利用者が過半数を超えた」のようなフォロワーの人に調査しても、妥当な回答は得られません。
よって、「誰に聞くか?」では新商品・サービスを合理的に判断して早期に採用するアーリーアダプターに聞くことが効果的です6

「何を見せるか?」では、商品コンセプトに企業ブランドを添えることが重要です7-8
なぜなら、「そのコンセプトを誰が言っているのか?」によって価値が変化するためです。例えば、可愛い商品コンセプトを、同じく可愛いイメージのある企業ブランドが言うのと、高級なイメージのある企業ブランドが言うのでは価値がまったく違います。

「どう見せるか?」では、時間制限と画面デザインの2つの観点で整理しました。
まず、時間については、コンセプトを強制的に一定時間見せるのではなく、時間制限を設ける方が回答精度は高まります9。なぜなら、人間は強制されることを嫌いますが、タイムセールや期間限定が好まれるように、希少性には自ら注目するからです。

「何を聞くか?」では、耐久消費財が対象になります。
消費財との違いは、買い換え期間が長いことです。その結果、「商品としては価値があるけど、今は買える状況ではない」という心理が発生します。
自動車の場合、約25%の人が「購入意向の回答が難しい」と考えているため、10調査の回答精度を落とします。
そこで、購入意向に次いで、市場シェアの説明力がある指標を分析した結果、「自分向けに感じる」であることがわかりました11。調査で使われがちな好意よりも効果的でした。好意は購入行動とは少し遠い場所にあります。例えば、誰もが知る国民的アニメの好意を聴取したら、多くの人がYesと回答するでしょう。しかし、「最近、そのアニメ・キャラクターにお金を払ったか?」と聞くと、Noという回答が顕著になります。好きでも、買うまでではない状態です。

これらの調査の設計は、どうすべきかの知見がないまま、担当者が毎回悩んでいた部分でした。研究を重ねてその知見を蓄積し、高い回答精度で市場シェアを推定できる設計を検討しました。

6Kato, T., Zhu, Y., Nagata, Y., Kubo, J., Matsue, T., Tanaka., Y., Umeyama, T., & Kamei, S. (2024). Early adopters vs. late adopters: Estimating accuracy of concept testing by selecting respondents based on diffusion of innovations. Smart Innovation, Systems and Technologies, Springer. (in press)
7Kato, T., Kamei, S., Ootsubo, T., & Ichiki, Y. (2023). More information is not better: examining appropriate information for estimating sales performance in concept testing. Journal of Business Analytics, 1-15, Taylor & Francis.https://doi.org/10.1080/2573234X.2023.2167670
8Kato, T., Kamei, S., Ootsubo, T., & Ichiki, Y. (2023). Effective factors for estimating market share in concept testing. Procedia Computer Science, 217, 198-204, Elsevier. https://doi.org/10.1016/j.procs.2022.12.215
9Kato, T., Ohno, T., Takizawa, R., Ichiki, Y., Zhu, Y., Umeyama, T., & Kamei, S. (2024). Verification of time setting to improve share estimation accuracy in concept testing. Proceedings of the 2024 American Marketing Association Winter Academic Conference, 840-851, American Marketing Association.
10Kato, T. (2019). Loyalty management in durable consumer goods: Trends in the influence of recommendation intention on repurchase intention by time after purchase. Journal of Marketing Analytics, 7(2), 76-83, Springer.https://doi.org/10.1057/s41270-019-00050-x
11Kato, T., Zhu, Y., Ichiki, Y., Takizawa, R., Ohno, T., Umeyama, T., Kamei, S. (2024). Effective indices for market share estimation in concept testing. Smart Innovation, Systems and Technologies, Springer. (in press)
 

対談写真2

コンセプトとデザインへの取り組みが日本企業を変える

――加藤先生とクロス・マーケティングがタッグを組んでKAGAMIを開発したことで、どのような成果が期待できるのでしょうか。

加藤様 アメリカに比べて、日本では企業と大学の連携が遅れていると指摘されます。企業としてはリソースや実験の機会はあっても、科学的知見が乏しい。
大学としては、科学的知見があっても、ビジネス領域となると実験ができずに成果を出しにくいという状況です。よって、産学連携はビジネス領域でのイノベーションのエンジンとなると思います。

永田 クロス・マーケティングとしては、KAGAMIの成果をマーケティングやデータサイエンス領域のジャーナル誌に掲載されたことが挙げられます。その結果、サービスを始めたばかりにも関わらず、エビデンスに基づいたKAGAMIに関心を持たれる企業が多いです。
実際、オンラインセミナーを開催したところ、参加者ほぼ全員から「非常に満足している」という評価をいただき、すぐにプロジェクトに適用いただいたお客様も多数いらっしゃいます。

やはりコンセプトが重要だとわかっていても判断軸が定まらず、どのように扱っていいかお困りの方が多いようで、KAGAMIのように誰でもコンセプトを評価できるソリューションは魅力的に映っているようです。

対談写真3


――KAGAMIを使うことでマーケティングの形、メーカーと消費者の関係性も変わっていくのでしょうか。

加藤様 日本には、本当に優れた要素と技術、そして人材がいます。にもかかわらず近年、世界的に見て日本の競争力が落ちてきているのは、魅力的なコンセプトの欠如が原因の1つです。優れた技術・人材も、それを効果的に活かす目的・戦略がなければ無駄になってしまいます。

永田 私は営業として、これまでいろいろな企業様と関わってきましたが、社内の意思決定がなかなかうまくできていないケースをたびたび見かけてきました。そこにKAGAMIを活用し、コンセプトを数値にした明確な視点を持って議論していただければと考えています。

今後、KAGAMIによって世界各国共通の判断基準が作り出せれば、私たちクロス・マーケティングとしてもより多くのお客様のご支援ができると期待しています。

梅山 ブームや流行とお客様が求めているものは、必ずしも同じではないと感じています。

例えば昨今はAIの発展が著しく、AIの導入に取り組む企業は増加する一方ですが、AIによって手に入れた利便性やシステムが、消費者の生活にどう貢献するのかが明確になっていないケースもたびたび見かけます。KAGAMIによって「AIのメリット」を「コンセプト」に変えられれば、消費者の求める新たな商品、サービスが生まれるはずです。

クロス・マーケティングとしては、そうした一連の流れを強力にサポートしていきたいと考えています。


――これからのKAGAMIの可能性、期待をお聞かせください。

永田 企業やメーカーの皆様からは、「消費者の考えていることを知りたい」というご要望を数多くいただいています。その中で、革新的な対策を目指している方々もいますが、その取り組みが一個のソリューションという形になっていなかったので、なかなか踏み込めない企業様も多かったと感じています。

そのニーズに対してKAGAMIというソリューションをご提供できれば、よりお役に立てるのではないかと期待しています。

梅山 調査業界としては、一つひとつの受託サービスではなく、一つの決まった形のサービスを調査会社として提供する点で画期的なのがKAGAMIです。
このようなソリューションを提供できるのは、クロス・マーケティングの誇りにしたいと願っており、大切に育てていきたい、広げていきたいと思っています。

加藤様 KAGAMIのプロジェクトを一緒に取り組んでみて、「調査業界を変える」という意気込みを感じました。このような取り組みを調査業界のコミュニティに波及させていくのがクロス・マーケティングだと思いますので、KAGAMIを起爆剤としてどんどん広がっていってほしいと思っています。

 

支援サービス
KAGAMI

 

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